MENU
BIZLAW BIZLAW
Powerd by LexisNexis®
BIZLAW
BIZLAW Powerd by LexisNexis®

RSS
Google+
Twitter
Facebook
HOME

ロースクールインタビュー
横浜国立大学

yokohama_law_01_01_logo01

ロースクールインタビュー<横浜国立大学> 第2回

 近年、司法試験の合格率の低迷、一部の大学への一極集中化など、全国の法科大学院は厳しい状況に置かれています。他方、魅力的な教育プログラムを用意し、法曹界で活躍する卒業生を多数輩出する大学も多くあります。
 横浜国立大学は、国際的な地域性に加えて、神奈川県弁護士会との包括連携協定を元に、理論と実務を架橋する実践的教育に特徴があります。
 横浜国立大学実務家教員の飯島奈津子氏を司会に、法曹実務専攻長の芳賀良氏、神奈川県弁護士会法科大学院支援委員会副会長の髙岡俊之氏、卒業生の渡辺翔太氏の4名による対談形式で、横浜国立大学法科大学院の魅力について伺いました。(インタビュイーのプロフィールはこちら



 関連記事
  ロースクールインタビュー<横浜国立大学> 第1回



先輩の言葉を励みに、
3年間1日10時間の勉強

yokohama_law_image04

飯島(司会) 神奈川で弁護士になろう、横浜国大で学ぼう、と思ったきっかけを教えてください。

渡辺 私は幼稚園から高校まで、ずっと横浜でした。弁護士は、人の顔が見える仕事なので、地元で働きたい思いが強かったですね。裁判官、検察官、弁護士の中から弁護士に決めたのは、家族や友人からの相談にも乗りたいと思ったからです。
 もともと地元の横浜国大で勉強したいという思いはありましたが、大きなきっかけは、学校説明会での先輩のお話でした。「法科大学院に入学するまで、自分は法律を一切学んだことがなかった。あるのは根性だけ。1日10時間、3年間勉強すれば、1万時間勉強したことになる。横浜国大には、勉強に集中できる雰囲気、先生の支えがあって、実習室が充実しているなどの環境も整っていて、しっかりやりきれた。自分はこれから司法修習に行くけど、皆のところに教えに戻ってくる」と先輩は熱く語っていて、自分も同じようにここで3年間がんばり抜こうと思いました。結果的に、その選択が今につながっていて、当時の思いが叶い始めているところですね。

飯島 率直に、1日10時間勉強していた時代と今の生活、どちらが大変ですか。

渡辺 今でしょうか(笑)。

飯島 合格した先に楽な生活が待っているわけではなく、社会に出るとまた別の大変さがありますね。受験生の皆さんにとっては、今が一番大変なのも確かです。ただ、自分の将来のために勉強できるというのは幸せなことですよね。

渡辺 やりたいことに集中できるという意味で、3年間は貴重な時間なので、歯を食いしばってがんばってほしいです。

飯島 勉強したことが、仕事に生きていると感じる場面はありますか。

渡辺 相談者に法律的な答えを示すのはもちろんですが、まず何に悩んでいるのかを受け止めて、精神的な負担を肩代わりする。気持ちが楽になる提案やアドバイスをする。その上で解決に結びつける。それが弁護士の仕事の醍醐味の1つだと思います。
 学生時代は、問われたことに対して自分の考えを説明したり、他の学生の意見を一旦受け止めて、また自分の意見を述べたり、小規模な人数で活発に議論が行える場がありました。この経験が、依頼者からの相談を聞く練習にもなっていたのだと思います。


集中できる環境で、
弁護士の素養を身につける

飯島 キャンパスは、物理的に勉強に集中しやすい環境にありますね。

渡辺 周りに遊ぶところがない。横浜駅から離れた山中にあり、脱走不可能です(笑)。だからこそ、遊びに行こうとせず、皆で勉強の話をしながら学校で食事して、集中して勉強に取り組むことが出来ました。
 また、在学中は複数の課題が並行して出されるので、優先順位をつけなければなりません。100%の時間を割けばもっと良いレポートが書けるかもしれないけど、提出期限厳守の中で80%の力で滞りなく全て提出し切る。このような時間の使い方は、課題が多くでた演習の授業の中で身についたと思います。今の仕事にも生かせているかと思います。

芳賀 常に複数の仕事を抱える社会人からの重要な指摘ですね。

飯島 弁護士は自営業、自由業なので、自分以外に時間配分をマネジメントする人がいない。在学中に、自分で管理する力を身につけておくことが必要ですね。

渡辺 弁護士が同時に複数の案件を抱える一方、依頼者にとっては1件なので、どれも大切にしないといけない。依頼者と向き合いつつ、自分の中で時間のやりくりをしないといけない。学生の時から、その姿勢が求められる環境にあったと思います。


研究者と実務家のコラボで、
実務のイメージを持つ

yokohama_law_image02

渡辺 学生はどうしても、判例や学説にばかり意識が向いてしまい、なぜ1つの論点についてそこまで議論されるのか、深く理解できないまま教科書を読んで終わらせてしまうことが多いと思います。
 そこで実務家教員の先生から、「実際に実務でこの説をとると、帰結がこうなってしまう。それで本当に良いのかという問題意識から、この論点が議論されてきた」というお話があると、机上で勉強するだけではわからない、いかにそれが実務でも問題視されてきたのかという背景を知ることができます。研究者教員と実務家教員が同席する授業は、実務をイメージをするという点で役立ちました。

髙岡 たとえば判例は、そもそも該当する法律の条文がない、という場合のよりどころとなるわけですが、特定の事案についてなぜそこが問題になっているのか、「問題の所在」を捉えることが、理解を深めるために重要です。

渡辺 特に演習の授業においては、法律の世界は正解が決まっているわけではなく、望ましい着地点はあっても、そこに至るまでの発想はいくつもあるのだということを教わりました。

髙岡 たとえば医学では理論と実務の架橋という話はない。法律学も同じで、本来は理論と実務が別々なはずはなく、理論があってこその実務、実務があってこその理論です。それをバランスよく学べる法科大学院のシステムは、重要だと思います。

芳賀 法科大学院という教育のシステムにより、今まで理論と実務が断絶されがちだった法学教育が、良い方向に向かっていると思います。最近のように法科大学院への志願者数が減っていることは、このような法科大学院教育の良さが伝わりにくくなっているのかもしれません。


学生と卒業生と大学の絆

渡辺 横浜国大の良い点の一つとして、先生や卒業生との交流の場が多いことがあります。その都度、今自分がしている勉強の内容や方向性が適切なのか、軌道修正しないといけないのか、アドバイスを受ける機会があります。少人数の法科大学院なので、OB・OGが大学に強い愛着を持っていて、学生が求めれば返ってくる環境があると感じます。

芳賀 私が教師冥利に尽きると思うのは、教え子たちが母校のことや後輩のことをいつも想ってくれる点です。「大学から受けた学恩は後輩に返してね」とお願いすれば、このことを実行してくれるが修了生がたくさんいます。これが横浜国大の良き伝統だと思っています。


(第3回につづく)



取材・編集:新川量子
写真:伊藤玲



yokohama_law_image01

(場所:神奈川弁護士会館  左から、芳賀良氏、渡辺翔太氏、飯島奈津子氏、髙岡俊之氏)

Profile

芳賀 良(はが りょう)
[横浜国立大学大学院国際社会科学府法曹実務専攻長]

【1990年青山学院大学法学研究科修士課程修了。専門分野は、商法・金融商品取引法。


飯島 奈津子(いいじま なつこ)
[横浜国立大学法科大学院実務家教員]

1996年年東京大学法学部卒業。1999年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。よこはま山下町法律事務所所長。民事・家事一般事件を多く手がけるとともに、子どもの権利擁護のための活動に取り組んでおり、神奈川県弁護士会子どもの権利委員会委員長。横浜国立大学法科大学院では2010年から講義を担当。


髙岡 俊之(たかおか としゆき)
[神奈川県弁護士会法科大学院支援委員会副会長]

1986年中央大学法学部政治学科卒業。1996年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。1999年横浜ベイサイド法律事務所開設。2012年度神奈川県弁護士会副会長。専門分野は、金融法務、企業法務、不動産関係事件、遺言・相続、離婚など。


渡辺 翔太(わたなべ しょうた)
[横浜国立大学法科大学院修了生]

2006年東京大学経済学部卒業。2011年横浜国立大学大学院国際社会科学研究科法曹実務専攻修了。2012年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。2013年横浜綜合法律事務所入所。専門分野は、企業法務、遺言・相続、労働問題、交通事故、夫婦問題、刑事事件など。




ページトップ