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ロースクールインタビュー
横浜国立大学

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ロースクールインタビュー<横浜国立大学> 第1回

 近年、司法試験の合格率の低迷、一部の大学への一極集中化など、全国の法科大学院は厳しい状況に置かれています。他方、魅力的な教育プログラムを用意し、法曹界で活躍する卒業生を多数輩出する大学も多くあります。
 横浜国立大学は、国際的な地域性に加えて、神奈川県弁護士会との包括連携協定を元に、理論と実務を架橋する実践的教育に特徴があります。
 横浜国立大学実務家教員の飯島奈津子氏を司会に、法曹実務専攻長の芳賀良氏、神奈川県弁護士会法科大学院支援委員会副会長の髙岡俊之氏、卒業生の渡辺翔太氏の4名による対談形式で、横浜国立大学法科大学院の魅力について伺いました。(インタビュイーのプロフィールはこちら



地域に根差した法曹教育

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飯島(司会) まずは横浜国立大学法科大学院のコンセプトを、芳賀先生からご紹介ください。

芳賀 本学のコンセプトは、地域に根差し、市民の法的ニーズに的確に応じることのできる法曹、横浜らしい国際性を備えた法曹を養成することです。本学と神奈川県弁護士会は包括連携協定を締結しており、「地域に根差す」という点にウェイトを置いています。修了生の弁護士約130名中、約50名が神奈川県弁護士会に登録していることからも、地域とのつながりは濃いといえるでしょう。

飯島 2年生の春学期にエクスターンシップがあり、学生は1週間、法律事務所で実地研修を受けます。神奈川県弁護士会が研修先の事務所をピックアップし、事務所の方々も快く学生を受け入れています。エクスターンシップでの経験が、就職に役立ったという話はよく聞きますね。

芳賀 また神奈川県弁護士会からは、実務家専任教員、客員、非常勤として多くの先生方に来ていただいています。学生は先生方と接触する機会がすごく多いので、県内の事務所に就職したあとも、先生方に人柄をわかってもらっているというのはありがたいでしょうね。

飯島 神奈川県弁護士会の中で、横浜国大法科大学院出身の方々は、大きな存在感がありますね。在学中から神奈川県弁護士会と縁があり、会務も積極的に取り組んでいるので、活躍が目立っています。

渡辺 神奈川県弁護士会には、神奈川県で弁護士として活躍している卒業生も、横浜国大法科大学院に教えに来てくださった実務家教員の先生方もたくさんいらっしゃるので、最初から馴染みやすく、私も自然に入っていけました。


神奈川県弁護士会との
包括連携協定

飯島 高岡先生から、神奈川県弁護士会の活動の紹介をお願いします。

髙岡 私自身、横浜国大法科大学院の創設時から関わっています。現在は、弁護士会の法科大学院支援委員会で副委員長をしており、現在まで多くの弁護士を教員として横浜国大に派遣してきました。

法科大学院支援委員会個別指導会実施部会
実務家教員のバックアップ部会
修学就業支援部会
模擬裁判部会

 委員会は、①個別指導会実施部会、②実務家教員バックアップ部会、③修学就業支援部会、④模擬裁判部会、の4部会から成り立っており、多方面で支援しています。この活動をする上で一番重要なのは、芳賀先生を中心とする大学側の先生方と、連絡会議での情報交換を密におこなうことですね。具体的には、月に1度、連絡会議で全体の方針を話し合い、各部会で個別の協議をおこないます。

飯島 芳賀先生が熱心に弁護士会に足を運んでくださり、大学のニーズと弁護士会の支援のなかで、どのような活動ができるか、擦り合わせをしています。連絡会議は大変活発で貴重な場です。
 ここまで1つの弁護士会が密にバックアップしている法科大学院は、なかなかないと思います。神奈川県弁護士会の弁護士は、横浜国大の法科大学院生を応援していて、司法試験に合格してほしいという気持ちに溢れている人ばかりです。地元に法曹養成機関があって、後進の指導に協力できることを、皆すごく喜んでいます。

芳賀 学生一人ひとりに対する、細やかな指導にまでご協力をいただいています。しかし、包括連携協定は一方的には成り立たないので、横浜国大の研究者教員も神奈川県弁護士会に対して、継続教育(リカレント教育)として弁護士会での講義等の活動をおこなっています。

飯島 神奈川県弁護士会所属弁護士に対して、専門的なテーマについて講演をいただき、多くのフィードバックを得ていますが、本来、専門の講師を見つけることは難しいので、横浜国大と神奈川県弁護士会との連携には大変感謝しています。


理論と実務を架橋する教育

芳賀 法科大学院教育の大きな理念は、理論と実務の架橋です。理論は研究者教員が教えられますが、実務は実務家教員でないと教えられません。その橋渡しは、単に研究者教員と実務家教員がいるだけでは十分ではないと考えておりますので、横浜国大では、神奈川県弁護士会との連携が形式だけにならないよう密な連携を心がけています。

飯島 横浜国大の研究者教員の先生方は大変熱心で、とても意思疎通しやすいので、協力して演習の授業をおこなうことは、実務家教員にとっても、大変刺激的で勉強になります。私は、自身の実務経験を元に、実務の切口でお話ししていますが、研究者教員の先生方は緻密な論理構成と整合性をおもちで、どんな質問が来ても回答を用意しています。そんな場面を拝見すると、実務家は太刀打ちできないと感じます。顔を合わせて一緒に授業する価値を、良い形で学生たちに伝えていきたいですね。

渡辺 研究者教員と実務家教員で、発想や切口が違うところがありました。授業中に教員同士の議論を聞いていると、同じ法律を扱っていても、研究者教員と実務家教員でこうも捉え方が違うのか、最終的な到達点は同じでも、発想の違いはこういう点にあるのかと、肌で感じられたのは得難い経験です。
また、私の学年は25名ずつで2クラスありましたが、25名だと十分に双方向のコミュニケーションが可能です。先生と学生、学生同士、先生同士が自由に議論しており、とても発言しやすい活発な授業でした。


神奈川で育てて、神奈川へ戻る

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飯島 現在、神奈川県の法科大学院の中で、横浜国大だけが学生を募集している状況です。神奈川に法科大学院がある価値をどう考えますか。

髙岡 神奈川県が、東京都に次ぐ人口規模であることを考えると、法科大学院がないとすれば不自然だし、必ずあるべきものと思います。法科大学院を出て、神奈川県弁護士会に入って、そこで学んだことを法科大学院へ還元させる。すなわち神奈川で育てて神奈川に返るという循環が極めて重要です。

渡辺 将来、神奈川県で仕事をしたいと考える人のためにも、神奈川県に法科大学院はあるべきだと思います。高岡先生のおっしゃる「還元」という意味でいうと、横浜国大に入ると、神奈川県弁護士会の先生方が教えに来てくださいますし、卒業生が弁護士になって戻ってきてアドバイスしてくださる機会が多くあります。大学自体に愛着をもって、親身に後輩に接してくださる先輩方がたくさんいるという環境は、本当にありがたく心強いです。

芳賀 そういう絆を作っている縦糸が大学で、横糸が神奈川県弁護士会なのでしょう。これを今後もうまく機能させて、魅力的な法曹養成を行い、地域に還元させていきたいですね。


(第2回につづく)



取材・編集:新川量子
写真:伊藤玲


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(場所:神奈川弁護士会館  左から、芳賀良氏、渡辺翔太氏、飯島奈津子氏、髙岡俊之氏)

Profile

芳賀 良(はが りょう)
[横浜国立大学大学院国際社会科学府法曹実務専攻長]

【1990年青山学院大学法学研究科修士課程修了。専門分野は、商法・金融商品取引法。


飯島 奈津子(いいじま なつこ)
[横浜国立大学法科大学院実務家教員]

1996年年東京大学法学部卒業。1999年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。よこはま山下町法律事務所所長。民事・家事一般事件を多く手がけるとともに、子どもの権利擁護のための活動に取り組んでおり、神奈川県弁護士会子どもの権利委員会委員長。横浜国立大学法科大学院では2010年から講義を担当。


髙岡 俊之(たかおか としゆき)
[神奈川県弁護士会法科大学院支援委員会副会長]

1986年中央大学法学部政治学科卒業。1996年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。1999年横浜ベイサイド法律事務所開設。2012年度神奈川県弁護士会副会長。専門分野は、金融法務、企業法務、不動産関係事件、遺言・相続、離婚など。


渡辺 翔太(わたなべ しょうた)
[横浜国立大学法科大学院修了生]

2006年東京大学経済学部卒業。2011年横浜国立大学大学院国際社会科学研究科法曹実務専攻修了。2012年弁護士登録(神奈川県弁護士会)。2013年横浜綜合法律事務所入所。専門分野は、企業法務、遺言・相続、労働問題、交通事故、夫婦問題、刑事事件など。




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