MENU
BIZLAW BIZLAW
Powerd by LexisNexis®
BIZLAW
BIZLAW Powerd by LexisNexis®

RSS
Google+
Twitter
Facebook
HOME

米国における独禁法、
労働組合法の最新動向

桃尾・松尾・難波法律事務所、バーンズ&ソーンバーグ法律事務所 


 ● 米国の商取引を妨げる行為は域外であっても反トラスト法の違反対象に (ケンドル・ミラード 弁護士)
 ● 米国独禁法における三つの特徴が影響し合うと重大な事案に発展する (向宣明 弁護士)

 ● 過去最大の労働組合法の改正と直近の労働法改正の動き (ピート・モース 弁護士)
 ● 日米の労働法の相違点の理解 特に差別禁止への配慮が重要 (鳥養雅夫 弁護士)



日米の労働法の相違点の理解
特に差別禁止への配慮が重要

seminar_mmn02_image05

 鳥養弁護士は、日本と米国の労働組合法の違いについて要点を解説した。日本との主な相違点は、米国の労働組合法が排他的交渉代表制を採用していることである。労働組合に関する不当労働行為やユニオン・ショップ制度における規制、労働法などは、すべてこの排他的交渉代表制に起因した日米の相違から生じるものだという。

 米国の労働組合法はNLRA(全国労働関係法)と呼ばれ、団結権等を保障し、不当労働行為や排他的交渉代表制を規定している。また、日本の労働委員会のようなNLRB(全国労働関係局)が運用を担当する。NLRBは不当労働行為の申立てを受けて審査し救済命令を発するほか、交渉代表を決定する選挙を実施し、選ばれた組合を認証する。

 排他的交渉代表制とは、交渉代表となった多数組合が、その組合を支持しない従業員も含めた全従業員のために団体交渉を行う権限を有し、交渉する制度である。個別交渉はできず、会社としては選挙に勝った組合とだけ交渉することになる。例えば、ある労働組合が排他的代表権限を得るには、その組合が従業員の30%以上の支持を得ている証拠(授権カード)を当局に提出し、選挙を実施する。そこで、過半数の支持を得てNLRBの認証を得ることが必要となる。

 さらに、鳥養氏は個別的労働関係にも焦点を当て、「日本の労基法のような統一的な法規制は存在しません。また、特に差別に関する法規制が重視されています」と強調した。


差別禁止は最重要のテーマ

 米国における差別禁止に関する法規制は、市民的権利に関する法律の第7編(タイトル・セブン)、雇用者年齢差別禁止法、障害を持つアメリカ人法に規定されている。このうちタイトル・セブンでは人種、皮膚の色、宗教、性、または出身国による差別の禁止が規定され、採用の応募書類や面接の際にこれらの情報の取得は行われない。

 注意すべき点は、企業側が中立な制度・基準を設けていたとしても不均等な結果が生じたときには差別的インパクトの法理で違法となり得るということだ。これは日本でいう男女の間接差別に似ており、企業はその制度や基準について業務上の必要性と職務関連を立証する必要がある。

 タイトル・セブンなどに違反する差別から被害者を救済し、差別を是正する機関にはEEOC(雇用機会均等委員会)がある。注意したいのは申立後30日を経過しても是正されない場合に民事訴訟を提起でき、損害賠償が発生する可能性があることである。この場合、懲罰的損害賠償が求められ、リスクはより高くなる。

 最後に、鳥養氏は採用に関する過失雇用の法理についても言及した。「職務に適格な者を採用することは使用者の義務です。明らかに不適格で危険な者を採用した場合は、過失雇用として不法行為責任を負います」と語り、セミナーは終了した。

(製作/レクシスネクシス・ジャパン企画制作部)

prof_mmn_04

Profile

鳥養 雅夫(とりかい まさお)
桃尾・松尾・難波法律事務所 パートナー弁護士]


企業法務全般を担当し、労働法、著作権法等を得意とする。
企業の役員なども務める。



1 2 3 4




ページトップ