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米国における独禁法、
労働組合法の最新動向

桃尾・松尾・難波法律事務所、バーンズ&ソーンバーグ法律事務所 


 ● 米国の商取引を妨げる行為は域外であっても反トラスト法の違反対象に (ケンドル・ミラード 弁護士)
 ● 米国独禁法における三つの特徴が影響し合うと重大な事案に発展する (向 宣明 弁護士)

 ● 過去最大の労働組合法の改正と直近の労働法改正の動き (ピート・モース 弁護士)
 ● 日米の労働法の相違点の理解 特に差別禁止への配慮が重要 (鳥養 雅夫 弁護士)



過去最大の労働組合法の改正と
直近の労働法改正の動き

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 ピート・モース弁護士は、まず米国労働法(労働組合法)の70年の歴史を概説した。米国労働法に基づく労働組合は1940年の制定当時、米国労働者の35%が加入していた。ところが、加入労働者数(組合員割合)は減少の一途をたどり、2000年代には10%になる。その減少を受けて、労働組合は打開策を立てた。その一つが、米国に生産拠点を持つ日本企業をターゲットとすることである。

 それに追い討ちをかけるように、最近、労働法に2点の大きな改正が行われた。一つ目は組織選挙の日程の短縮である。従来は従業員が授権カードに署名し、30%の賛同を得られれば当局に申請が可能で、申請がなされた後は、選挙までの1か月強の間、会社として組合の問題点を指摘し、従業員を教育する期間があった。それが法改正によって14〜23日間と大幅に短縮され得ることになった。組合が背後から忍び寄り、当局への申請と選挙を短期間で行うことができることから、モース氏は「奇襲選挙」と称している。

 二つ目は、マイクロユニット制の導入である。従来は、例えば時間給従業員400人の事業所の場合、選挙で201人(過半数)の賛成が得られれば組合を結成できた。ところが、改正により、そのうちの例えば17人が不満を持つ〝メンテナンス従業員〟だとすると、その17人を1ユニットとして、選挙で過半数の9人の賛成があれば組合が結成できるようになった。


従業員と会社の溝を埋める

 これらの二つのリスクを回避するためには、社内の組合組織活動の監査とマネジメントのトレーニングが欠かせない。モース氏は、「マネジメントトレーニングを施すことで、マネジメントと人事部が①最新の労働法の動向、②従業員が職場に満足するための方法を理解していることが必要」とし、米国で行われている最新の方法論を提案した。

 また、「職場に満足している従業員は組合には賛成しない、既に持っているものを獲得するために組合費を払ったりはしない、ということを念頭に置きつつ、何が従業員を満足させるかを精査・検証することが大切」と説き、下図を含む最新の統計データを示した。このデータからは、驚くことに従業員と管理職の意識は正反対であり、従業員にとって重要な要素はマネジャーがコントロール可能なものであることが分かる。


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 モース氏は、「マネジメントにトレーニングを施すことで、従業員が職場に満足し、より生産性が高くなり、組合への興味も減少する環境をクリエイトすることができる」とトレーニングの重要性を強調した。

 さらに、モース氏は、社内グループ活動やご意見箱の設置といった会社内で行うことができる参加型プログラム(EIP)の例を挙げ、EIPを実施している会社の組合の組織率の低下を示した統計と、EIPの実施がいかに簡単であるかを説明したうえで、「これらの要素をいつ、いかに提供するかを含めてマネジャーを教育し、従業員に発言のチャンスを与えることが重要だ」と力説した。

 セミナーの後半では、派遣社員も労働組合を組織化できるよう、最近になって労働組合法が改正されたことが紹介された。米国の労働組合法は大転換を迎え、在米日本企業も新たな対策を策定する必要に迫られている。モース氏は、日米問わず企業変革が求められていることを強調して締め括った。


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Profile

ピート・モース(Pete Morse)
バーンズ&ソーンバーグ法律事務所 パートナー弁護士]


バーンズ&ソーンバーグ法律事務所グローバル法務グループの共同代表者。
全米で多くの日本企業をクライアントに持つ。




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