MENU
BIZLAW BIZLAW
Powerd by LexisNexis®
BIZLAW
BIZLAW Powerd by LexisNexis®

RSS
Google+
Twitter
Facebook
HOME

ファッション業界における
知的財産権保護の最前線

「ファッションの法的保護の現状・課題と将来の展望」セミナー 



 ● ファッション・ローの現状と日本企業への影響の可能性(金井 倫之 氏)
 ● デザインの“識別力”でブランドを保護(中川 隆太郎 氏)
 ● エルメスに見る企業の権利保護と侵害対策 (黒川 靖子 氏)


エルメスに見る
企業の権利保護と侵害対策

kit_kurokawa_image01

 世界的ファッション企業であるエルメスでは、製品を「職人が一つひとつ丹精こめてつくった作品」と捉えているため、ブランドロゴは製品の片隅に小さく付されている。その結果、製品の形態が模倣されるケースが相当数発生してきた。

 日本における権利保護と侵害対策について、エルメスジャポン株式会社の知的財産権担当リーガルカウンシル・黒川靖子氏は、次のように実情を語る。

 「製品のデザイン自体を意匠登録することはもちろんですが、シーズン毎に変わるラインナップに常時対応するために、当社では商標権取得を強化しています。日本の行政対応のしやすさも考慮した場合、当社にとっては、意匠法や不正競争防止法よりも商標登録にメリットがあると判断した結果です」


立体商標の登録

 また、同社ではロングセラー商品や定番商品の識別性・著名性の獲得にも積極的に取り組み、2011年にロングセラーとなっているバッグ「バーキン」などのデザインを立体商標として登録している。

 「2008年に出願した際には、『ありふれた形状』ということで拒絶査定を受けました。そこで、不服審判で独自の現地アンケート調査による著名性・識別性の立証を行い、最終的に『立体商標の要件を満たす』と登録が認められました」

 その模倣品に対する民事訴訟の特徴的な例として、エルメス立体商標事件(東京地裁平成26年5月21日判決)を紹介した。

 「被告バッグは、ナイロン製の製品の表面にバーキンの写真を転写プリントしたものでした。そのため、訴訟では『被告の平面標章が当社の立体商標の侵害にあたるか』が争点となりましたが、当社は、バーキンの特徴6点を示すことで、裁判所に『被告標章は立体形状の同一性と平面標章として原告商標の特徴を具備し、酷似する』と立体商標の侵害を認めてもらいました」


kit_zentai_image01

企業の知的財産権保護で大切なものは?

 また、同社の訴訟事案に数多く関わってきた経験から、ファッション関連企業における知的財産権の保護について、次のように語った。

 「まず、企業としての利益が出る形で、自社の権利を保護していくことが重要です。コストや時間をかけて知財権を取得しても、有効活用できなければ、企業にとっては損失になりかねません」

 そして、何よりも大切なのは「顧客の利益の保護」だと強調。

「偽物の流通によるお客様の不信感や不快感を減らすことが、お客様の利益を保護することになり、自社の知財保護や信用にもつながっていくはずです」

 黒川氏の降壇後、各講師との質疑応答コーナーでは、「企業における各種知財権関連法の使い分け」「ファッションの権利侵害に対するアメリカでの懲罰的賠償の現状」「小売業企業が意識すべき対応」など、参加者から様々な質問が相次ぎ、ファッション・ローという新しい法分野に対する関心の高さが伺えた。


prof_kit_01

Profile

黒川 靖子 氏


エルメスジャポン株式会社
知的財産権担当リーガルカウンシル


取材/あつしな・るせ(CreativeUnit sprash)
撮影/岩田伸久

虎ノ門バナー_0618

  K.I.T.虎ノ門大学院Facebookページへ
 @kit_toranomon




1 2 3




ページトップ