MENU
BIZLAW BIZLAW
Powerd by LexisNexis®
BIZLAW
BIZLAW Powerd by LexisNexis®

RSS
Google+
Twitter
Facebook
HOME

コミックマーケットで
「STOP! 違法ダウンロード」
をアピール

_DSC4548

Report -「STOP! 違法ダウンロードの逆襲」

 2015年8月14日(金)から16日(日)にかけて、東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット88」。猛暑が続く中、3日間でのべ55万人(主催者発表)が来場する賑わいを見せた。
 今回、日本国際映画著作権協会(JIMCA)がコミケ会場において「STOP! 違法ダウンロードの逆襲」と題するイベントを企画。来場者に向けて、違法ファイルをダウンロードした人も刑事罰の対象になることの啓発活動を行った。



問題を知るためのきっかけ作り

 コミックマーケット88の期間中、JIMCAブースでは、著作権に対する理解を深めてもらうために、コミケ限定オリジナルDVDが配布されるなど、いくつものイベントが企画された。そして、最終日にあたる8月16日(日)に開催されたのが、東京大学教授を務める太田洋弁護士とダンス・ロックアーティスト「Q’ullle」という異色の組み合わせによるトークショー。そのタイトルは「いった何のハナシ??」。

 整理券を入手することができた30人がブースを取り囲む中、Q’ulleメンバーが、太田洋教授から、違法ダウンロード問題について、とってもやさしい“授業”を受ける形でイベントは進行した。


_DSC4581

違法アップロードはどれだけ悪いこと?

 もともと動画投稿サイト「ニコニコ動画」の「踊ってみた」カテゴリでダンス動画を投稿していた経験を持つQ’ulleメンバー。権利者の許諾を得ないアップロードが悪いことであるのは、もちろんご存じのこと。

 では、どの程度悪いことなのか。太田洋教授が法的な観点から解説する。
「著作権者に無断でファイルをアップロードした人には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科されます。これは窃盗罪と同じくらい重たい罪なのです」

 これまでにも映画や漫画などを違法に繰り返しアップロードした悪質な人は警察に逮捕されており、その数は150人以上にのぼる。



_DSC4614

違法ダウンロードはなぜダメなの?

 このように著作権侵害は非常に重たい罪にもかかわらず、それでもインターネット上には、いまだに権利者の許諾なくアップロードされた違法なファイルがたくさん存在する。こうした状況を踏まえて、2012年の著作権法改正では、違法にアップロードされたファイルをダウンロードした人についても、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」という刑事罰が科されることとなった。

 違法ファイルをダウンロードすることに関しては、あまり罪の意識を感じない人もいるかもしれないが、なぜそれが刑事罰の対象にされたのか。太田洋教授が改正の趣旨をQ’ulleメンバーに説明する。

「DVD等の制作会社や出演者の方々は、それが正規のルートで販売されている限りは、きちんと対価を得ることができますよね。でも、いわゆる「海賊版」が広まってしまうと、実際にコンテンツを作った人に対価が行き渡りません。例えば、もしQ’ulleさんのDVDを誰かが勝手に全部無料でアップロードして、多くの人がその違法なファイルをダウンロードしてしまうと…」

「そうですね! Q’ulleのDVDは、私たちだけではなく、撮影する人、編集する人などたくさんの人たちが関わって作られています。その人たち全員が困ってしまいますし、次の作品を出せなくなってしまいます」


残された深刻な問題とは?

 関係する企業・団体の努力のおかげもあって、ニコニコ動画やYouTubeといったサービスに違法なファイルがアップロードされたとしても、権利者が削除依頼をすれば素早く対応してもらえるケースが増えている。問題がより深刻なのは、海外サイトへの違法アップロードのようだ。

「海外サイトの場合には、削除要求をしても返事が来ないことも多く、また、日本の著作権法も日本の警察の力も及ばないのです」(太田洋教授)

 Q’ulleメンバーからは、「どうしようもないんですか?」という心配の声があがる。
 これに対し、現在、JIMCAが提唱しているのは、著作権侵害サイトに対するサイトブロッキング。通信の秘密などの観点から反対する声も大きいが、その一方で、ほぼ著作権侵害ファイルだけで構成されているような海外サイトへの対抗手段として有力な手段であるのもたしか。実際に著作権侵害サイトに対するサイトブロッキングを導入している国も既にあるという。


創作のサイクルを保護するために

 著作権侵害による被害額は映画産業だけで235億円にのぼるという(2010年JIMCA調べ)。コンテンツの制作者にきちんと対価が支払われる仕組みがなければ、次の創作も、新しい創作者への投資も難しくなりかねない。
 コンテンツを生み出す人の権利を侵害者からどのように守りつつ、創作サイクルを豊かにしていけばよいのか。二次創作やパロディが盛んなコミケの会場でこそ考えるのに相応しいテーマといえるだろう。


取材・編集/(鳩)
写真/臼田尚史



_DSC4685
_DSC4630

Profile

Q’ulle(キュール)

歌って踊れる5人組のダンスボーカル・ユニット。
(前列左から)ゆずき/やっこ
(後列左から)まぁむ/いくら/まなこ

_DSC4596

Profile

太田洋(Yo Ota)

東京大学法科大学院教授・西村あさひ法律事務所弁護士。
Q’ulleがこれまでに発表したプロモーションビデオの中でオススメは、3rdシングル「HEART BEAT」。

https://www.jurists.co.jp/ja/attorney/0030.html



  ◆株式会社日本国際映画著作権協会
   (Japan and International Motion Picture Copyright Association, Inc.:JIMCA)
   映画の著作物に関する、著作権侵害行為の防止、調査、広報活動を行う。







ページトップ