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すぐに社内に根付いた
支援のためのカルチャー

手作りコスメショップ LUSH

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LGBTのアーキテクチャ 第1回

 LGBT(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender)に関するニュースが、2013年から2014年の間に倍増している。2012年、東洋経済とダイヤモンドが「LGBTマーケット」特集を組み、電通総研が「電通総研LGBT調査2012」を発表してから、このイシューを意識する人が増えてきた。

 一見「LAW」とはあまり関係のない世界に思われるLGBTの問題。性同一性障害特例法、憲法24条1項に関する同性婚の問題…話題に挙がるものといえば、このあたりだろう。しかし、ジェンダーとセクシュアリティは、人のアイデンティティに深く根ざす問題であることから、社会への影響度は計り知れないもの。いわば「社会の仕組みを担うそのもの」であって、前述した電通総研の資料通り、LGBT当事者が人口の5.2%もいる(※1)とすれば、必ず社会的なアーキテクチャ(仕組み)として働いている側面を持つはずだ。そのアーキテクチャが可視化されれば、新しい作用を生むものと思われる。その作用は、例えば世界平和に大きく貢献するものかもしれないし、経済の活性化に寄与するものかもしれない。可能性は無限に広がるものだ。BIZLAWでは、+LAWレーベル(※2)として、今後このLGBTの問題を積極的に取り上げていきたいと思う。

 ※1 全国20~59歳の男女個人69,789人を母数としたスクリーニング調査に基づく
 ※2 +LAW(アンド・ロー)レーベル:社会の仕組みや、マーケット、規範、そして法律などを「拡張したLAW」と捉え、それらを礎に現代を理解するためのトピカル・カルチャーレーベル。今後、雑誌や書籍などでのアウトプットを企画中



 2015年が明けてすぐ、LGBTに関するニュースで話題をさらったLUSH。世界で900店舗近く、日本だけでも150店舗以上を展開。駅前でみかけたこともあるだろう、オーガニックな香りを街に漂わせている手作りコスメショップである

 「元々、弊社の信念として、人・動物・環境に優しいという観点を大切にしていまして、これまでLGBTだけでなく様々な課題に対してアクションを取っている」と話してくれたのは、LUSHジャパンのチャリティ・キャンペーンマネージャー、高橋麻帆さん。「私たちにとっては店舗が最大のメディア。毎日お店に来ていただけるお客様と一緒に、アクションを起こしているのです」とのことだ。



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 「ロシアの反同性愛法(※)の話が、我々のLGBT支援活動のきっかけです。どういったアクションが取れるか考えたところ、弊社商品を使って、同性愛のシンボルの一つであるピンクトライアングルを描くというアクションを思いついたのです。そもそもLGBTの問題は、問題自体を広く社会に認知させることから始めるべきです。弊社のこのピンクトライアングルのキャンペーンは、まさにLGBT問題の可視化を目的としていました。

 ※ 東洋経済ONLINE「反LGBT法で世界中から非難を受けるロシア」(2014年2月19日)

 グローバルで、2013年の9月と、2014年の2月と2回行っています。結局この活動は700万人にリーチしました。私たち自身も、LGBTの問題に対して声を上げていく大切さをすごく感じた一件です」と高橋さんは言う。

 そして、今回ニュースになっているのは、同社による「WE BELIEVE IN LOVE -LGBT支援宣言-」である。主なアクティビティは次のとおりだ。

  • 全国のラッシュショップに設置された宣言ボードにハートを描いて、LGBT支援を宣言
  • ハート形商品を持って写真を撮り、#LGBT支援宣言をつけてSNSに投稿
  • オンラインで、国内の行政によるLGBT支援施策への賛同を表明(1月23日開始)
  • 2月11日(祝)、全国のラッシュショップで一斉開催するバレンタインオリジナルバスボム製造体験に参加



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店頭では、支援宣言できるボードが設置されている。写真は渋谷駅前店、日曜日30分ほどの取材時間のなかで、2組の団体が支援宣言を目当てに来店。活況である。



 「現在600名以上の署名が集まっています。思ったより数は少ないのですが、各々のメッセージが個人的でとても意義があります。実名で賛同しなくてはいけないため、なかなか集まりづらい側面もあるのですが、どちらかといえば、コメントの質のほうに注目したいと考えていますね。
 また、このキャンペーンを見て、愛媛でも同じChange.orgを使ったキャンペーンが立ち上がるなど、影響を与えていることに手応えを感じています」とキャンペーンのスーパーバイザーである丸田千果さんは話す。
 「ロシアの反同性愛法の時は、共通の「敵」を見いだす形だったので、賛同もしやすかったように思います。今回はLGBTのイシューを自分事としてとらえられるかどうかが鍵」と高橋さんは言う。つまりはこのキャンペーン自体、敵対意識などのレバレッジに頼らず賛同を集めるという原始的な手段であり、LGBT支援としては一昨年・昨年とは性質が違うという考えだ。

 また、企業がLGBTの支援広告を打ったとしても、なかなか末端のスタッフまではその事実すら行き届かないことが多い。これは、LGBT施策に取り組む企業の人事やCSRから悩みの種として聞かれる話だが、LUSHは店舗単位で情報が行き届いていることを実感する。「もちろん、最初からうまくいったわけではありません。ピンクトライアングルキャンペーンでは、急いでキャンペーンを決めた経緯もあり、当事者の方に店舗に来ていただいてもうまく対応できなかった。これは私たちにとって、意味のあるラーニングだったと思います。お客様向けのキャンペーンとはいっても、内部スタッフの理解に力を入れないと、うまくはいかなかったのです」と高橋さんは言う。しかし、同社ではその後1年半で変化を遂げることができた。

 「グローバルでいえば、スタッフに当事者が多く、社の雰囲気・文化自体がLGBTフレンドリーであることも、要因かもしれません。異性間の結婚と同様に、同性間のパートナーにお祝いを出したり、休暇を付与したり、人事制度を整えた経緯もあります。
 3ヶ月に一度、全国の店長が参加する「店長会」をしているのですが、その場でLGBTに関しての研修をしたりもしてきました。キャンペーンを通して、当事者の方々から弊社で働きたいというメッセージをいただくことも多くなってきていますし、社全体での意識の高まりを感じています。

 社内ではLGBTに配慮するカルチャーができています。まだ、わずか1年半ほどの取組みではありますが、変化を感じられますね」とのことだ。また「元々Lushでは、動物実験の廃止に関してのキャンペーンを行っていますが、なかなか社会に浸透しづらい側面があります。けれど、LGBTはイシューとして、人間の根源的な部分であることもあって、多くの人々に認識されやすいのではないかと思います。ニュースで取り上げられることも多くなってきて、社会の流れと一緒に動いているのを実感できます」とは、丸田さんの言。

 キャンペーンは2月14日、バレンタインデーまで。お近くのLUSHへ。



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LUSHでは、「チャリティポット」なる商品を展開。消費税分以外のすべての売り上げを記名された団体などに寄付するというもので、LGBT団体を支援しているチャリティポットは現在6種



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TOUCAN LOVEのパッケージは、TWO CAN LOVE、つまりどのような二人でも愛し合うことができる、というメッセージ



文・写真・編集/稲垣正倫(BIZLAW)




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