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カミングアウトの大きな力

OUT IN JAPAN

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グッド・エイジング・エールズ代表、松中権氏とOUT IN JAPANの一部

LGBTのアーキテクチャ 第5回


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カミングアウトの影響力

 LGBTイシューのコアなアーキテクチャとして「カミングアウト」が存在する。ご存じの通り、当事者にとって自分の性指向や性自認などを知らしめる行為のこと。カミングアウトには、家族や仲間、所属する会社など様々な規模の可能性があり、またSNSなどの普及によって「自分がどの範囲にまでカミングアウトするのか」という規模のコントロールを完全に行うことは難しくなってきている。

 メディアを賑わせているのは、有名人の大規模なカミングアウトであり、彼ら影響力を持つ人間のカミングアウトは、様々な意味を持ち始めている。一つには、LGBT当事者の可視化。日本はLGBTイシューの認知度が低いが、これはLGBT当事者がなかなか見えてこないことに起因するといわれている。カミングアウトをすることによって、当事者そのものが可視化され、イシューの存在が明るみに出ることは、大きな前進だといえるだろう。

 また、企業役員などのカミングアウトは、経済効果をも生んでいる。いまや、フレンドリー企業と企業間取引をおこなうには、LGBT関連のレピュテーションを保持しておくことが必須であり、アンフレンドリーな態度では取引中止の憂き目さえ見えてくる。つまり、企業役員や代表のカミングアウトは、LGBTコミュニティーにとっても大きな力になり、しいてはBtoCにおいても、カミングアウトによって消費行動につながることもありえるわけだ。

「日本は50年遅れている」

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レスリー・キー氏(左)、IVANさん(右)

 今回紹介するOUT IN JAPAN(主催:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ)プロジェクトは、このカミングアウトの力を、最大限に活用できるものであり、また有名人がカミングアウトする以上に一般人のカミングアウトの力が表面化することに大きな意義があるだろう。

 LGBT当事者の方を公募し、写真家が撮影する。オリンピックが開催される2020年までに10000人を撮影することが目標だとのこと。このプロジェクトの第一弾として、写真家レスリー・キー氏が起用され、LGBT当事者の写真がGap原宿店特設ギャラリーに展示されている(4月28日まで)。レスリー氏は、レディ・ガガ、松任谷由実などの有名人から、一般人まで幅広く撮影してきたことで知られる写真家。その人そのものの個性を最大限に引き出すことができるといわれており、現在展示されている写真も圧巻。111名の圧倒的な物量とアートの力が、LGBTの存在を強く表明している。これが10000名になった時の力は、計り知れないものがある。

 発表の当日は、レスリー・キー氏とOUT IN JAPANの第1人目として起用されたモデル・ミュージシャン・タレントのIVANさんが登壇した。レスリー氏は「私は、今日の日は50年間遅れていると思います。1965年にこういうことがあってもおかしくない。(中略)私は2002年から2006年までニューヨークにいたのですが、あまりにLGBTについて日本が遅れていることについて、恥ずかしかった。ニューヨークは、クリエイターにしても料理人にしても、一般の企業人にしても才能のある人があふれています。そういう人たちの半分以上がLGBTなんです。LGBTがマイノリティだと思ったら大間違いですよ。日本はたまたま1割かもしれないけど、国によってマイノリティなんかじゃない。

 日本人の9割の人に対して思うのは、LGBTに対しての情報が浅すぎること。日本はオリンピックに向けて、リーダーシップをとれる国になるべきですから、残りの5年間で、みんなのまわりにどれだけLGBTの人がいるのか、みんなと一緒なのか、わかってほしい。
 LGBTの人たちは心配してない。9割の人たちが私は心配。みんな(写真に写ってくれた方々)は輝いてるから。


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 本当は「LGBT」とカテゴライズする必要は無いのです。でも、今は9割の人たちのためにカテゴライズする必要があって、ナレッジを広める必要があります。そうでないといい国にはなれません。
 自分の人生の半分は日本で過ごしていますし、本当に日本にお世話になっています。まだ日本に貢献したいことは山ほどあります。22年間日本にいて、今回の作品は一番日本に貢献したものになりました」と辛辣かつ真摯なコメントを寄せた。

 IVANさんも「日本の人はあまりLGBTに関して理解できていなくて、サンドウィッチ? とか言われる始末。OUT IN JAPANという形で、LGBTというものをもっと日本でも浸透させていけたら、と思います」とコメントした。また「一般の方達がこのOUT IN JAPANに参加してくれることは、すごく勇気がいることだと思いますし、私達LGBTの仲間達がこの写真を通して大きな力を感じてくれるんじゃないかな、と思いました」と話した。


文・写真・編集/稲垣正倫(BIZLAW)





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OUT IN JAPAN

5年間で10,000人のLGBTのポートレート撮影を目指すカミングアウトプロジェクト、「OUT IN JAPAN」。
GapとRENTがサポートしたプロジェクト#001でレスリー・キー氏が撮影したポートレートが、Gap原宿店で展示されている。

開催日程:2015年4月21日~28日
開催時間:店舗営業時間に準ずる



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