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知財英語プレゼンテーション 1
Starting presentation, Closing presentation,
Dealing with questions

エスキューブ(株)代表取締役・エスキューブ国際特許事務所所長
知財経営コンサルタント・弁理士 田中 康子

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さあ、「知財英語」で話そう 第2回

いまや「知財」は事業戦略の柱、そして「英語」はビジネスの要。「知財英語コミュニケーション」は、知財部員や弁理士だけでなく、法務部員、研究者、エンジニア、技術営業、弁護士等々、世界を相手に仕事をするグローバル人財にとって必要なスキルなのです。ところが「知財英語」は、知財や契約に関する法律用語の他、技術に関するテクニカルワードも含むため、英会話教室ではなかなか学ぶことができません。
この連載では、「知財英語コミュニケーション」を身につけるためのエッセンスを、全6回に渡り紹介します。今回は、第2回「知財英語プレゼンテーション1 Starting presentation, Closing presentation, Dealing with questions」をお送りします。



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さあ、「プレゼンテーション」を始めよう

プレゼンテーションの構成は、「Starting presentation」「Main Body」「Closing presentation」「Dealing with questions」に分けられる。日本語で言うなら「導入(序論)」「本論」「まとめ」「質問への対応(質疑応答)」となるだろうか。

このうち今回は、「Starting presentation」「Closing presentation」「Dealing with questions」を取り上げる。プレゼンテーションの主役「Main Body」を引き立てる脇役として、軽視できない重要な部分である。また、本論の内容に関係なくビジネスプレゼンテーションに共通する部分でもあるので、ここを押さえれば、知的財産だけでなく色々な話題に応用できる。


Starting presentation ~導入~

Starting presentationは、全ての聴衆が注目しているプレゼンテーションの冒頭部分である。ここで聴衆をぐっと惹きつければ、その後に続くMain Bodyを、興味をもって聴いてもらえる。
Starting presentationのポイントは、


 1)Get people’s attention (聴衆の注意を惹く)
 2)Welcome them (聴衆を歓迎する)
 3)Introduce yourself (自己紹介)
 4)State the purpose of your presentation (目的を述べる)
 5)State how you want to deal with questions (質問の扱い方を述べる)

の5つである。具体例を見てみよう。


Good afternoon, ladies and gentlemen, thank you for being here today. My name is Junko Tamai from the IP department of ABC Corporation. I’d like to discuss “Patent Invalidation Trial in Japan.” If you have any questions, please feel free to ask me anytime.

(皆さんこんにちは、本日はお集りいただきありがとうございます。私はABC株式会社知的財産部の玉井純子と申します。これから日本の特許無効審判についてお話します。質問がありましたらいつでもおっしゃってください。)


前回の例と同様、難しい文法を使った文章は一切なく難解な単語も入っていない。ジョークの一つも入っていないが、non-native English speakerの日本人が英語でプレゼンする場合は、これで十分聴衆を惹きつけられる。ポイントを押さえ、当たり前のことを当たり前に述べればよいのである。

スライドを用いてプレゼンする場合、この部分は、表紙を投影しながらしゃべることになる。背筋を伸ばし、聴衆全体を見渡して、アイコンタクトをとりながらハッキリと暗唱しよう。決して手元のメモを見てはいけない。これだけでも、あなたがしっかりと準備をして自信をもってプレゼンに挑んでいることが伝わる。そして聴衆は、誰が何を話すのか、質問があるときはどうすればよいのかを理解でき、安心して「Main body」(本論)を聴く準備に入れる。

上記の具体例は、プレゼン内容や聴衆の属性や人数に応じてアレンジをすればどんなプレゼンテーションにでも応用できる。

例えば、Good afternoon, ladies and gentlemen. は、>


Good morning, everyone. (ladies and gentlemen より軽い感じで)
Hello, folks. (同僚や仲間に向けて)
Good evening, Mr. Skolnick and Ms. Tan. (2人の聴衆に向けて)

の様に言ってもよいし、I’d like to discuss… は、


I’m going to talk about …
The objective of today’s presentation is to share …

の様に言い換えることができるだろう。

また上記ポイントの5)にある「State how you want to deal with questions(質問の扱い方を述べる)」に関して、日本人と他国の人とでは、質問の仕方に違いがある点を念頭に置いておきたい。

日本人の場合、話を最後まで聞いてから手を挙げて質問するのが通常だが、欧米人・アジア人を含めて他国の人は、話の途中でも構わず、時には挙手もせずにいきなり質問してくる。各国での教育システムや文化・習慣の違いがこんなところにも表れるのである。

というわけで、上記の例では、「… ask me anytime.(いつでも質問してください)」としたが、話の途中で割り込まれたくない場合は、「If you have any questions, please ask me after the presentation.」とハッキリ伝えておくとよい。(実際は、これでも割り込んでくる人はいる。)


Closing presentation ~まとめ~

Closing presentationは、プレゼンテーションの内容をまとめて締めくくるパートである。プレゼンテーションの最後に、「今日の話は何だったか」を確認できると、聴衆の理解度・満足度が上がり、評価が高まる。終わり良ければすべて良し、である。

Closingのポイントは、


 1)Briefly summarize what you have talked(簡単なまとめ)
 2)Appreciation(謝意の表明)
 3)Asking questions(質問を受ける)

の3つである。具体例をあげると、次のようになる。


Let me summarize what we have discussed today. We talked about the patent invalidation trial in Japan, especially the recent reform and some differences between the opposition system. We also discussed prior art search to find an evidence to invalidate a patent. I hope you will strategically use the patent invalidation trial and opposition system to protect your business. Thank you for your attention. Do you have any questions?


(今日の話をまとめます。特許無効審判、特に最近の法改正と異議申立制度について触れました。また無効資料調査についてもお話しました。これらの制度を戦略的に活用され、皆さんのビジネスを保護することができれば良いなと思います。ご清聴ありがとうございました。ご質問はありますか?)


簡潔な文章でありながら、プレゼン内容のポイントを述べ、最後に一言「I hope you will strategically use the patent invalidation trial and opposition system to protect your business.」と、コメントしている。この数行で、今日の話は何だったか、どんなふうに役立てられるかを印象付けられる。

いうまでもなく、上記ポイントの中で、この「Briefly summarize what you have talked(簡単なまとめ)」が最も重要なのだが、意外とこの部分に気が回ってないプレゼンテーションが多い。筆者も最初のころは、準備したスライドを説明し終わると、ホッとして「That’s all of my presentation. Thank you for your attention. (以上です、ご清聴ありがとうございました。)」と、先走ってしまいがちだった。が、あるとき質疑応答の際に、「あなたの話は、・・・・・・でしたね」とまとめてくれた人がいて、「あ、そうか、そう言うとわかりやすい」と気づいた。

特に知財関連のプレゼンテーションでは、内容が複雑でわかりにくいということが良くあり、細かな点も含めて正確に理解しなければならないことが多い。そこで、最後に簡潔でわかりやすいまとめがあると、聴衆のプレゼン内容に対する理解を深めることができ、プレゼン全体の印象が格段にアップする。慣れない人は、最後に、「Summary」、「What we have discussed」、「Conclusion」というスライドを付けておくのをお勧めする。

次に、決まり文句「Thank you for your attention.」で、謝意を示す。聴衆が2~3名程度なら、例えば「Thank you Sharon and Eric for your time.」の様に言ってもよいだろう。この2パターンを覚えておけば十分である。


Dealing with questions ~質問への対応~

今回のテーマの中では、ここが最大の難関である。質問に対応するためには、英語の質問を聞きとって理解し、答えを考え、そして英語で答えるという作業を、現場で同時に行わなければならないからである。上述のStartingやClosingの様に、事前にスライドを準備しておくのは難しいが、現場で慌てない様、質問を募るところから、予想される流れに沿って想定される対応の例を挙げてみる。


1)質問を募る

Are there any questions? / Any questions? / Questions?
(質問はありますか?)

2)質問を受けた後の第一声

That’s a good/interesting/excellent question. Thank you for the good question.
(いい質問ですね。良い質問をありがとうございます。)

質問のお礼を伝えて、考える時間を稼ぐのに便利なフレーズである。さらに、
Your question is… / You are saying that… に続けて質問を繰り返して確認するのも良いだろう。

3)即答できない場合

I’m afraid I can’t answer that right now.
(すみません、即答できません。)

即答できないときには、遠慮なくその旨を伝える。日本人には、日本語であっても「わかりません」、「お答えできません」と言えない傾向があるようで、ここで沈黙してしまう人が驚くほど多い。わからないことや即答できないことは悪くない。胸を張ってI’m afraid I can’t answer that right now. / Unfortunately, I have no answer to your question. と伝えよう。ちなみに、欧米人にとっては、沈黙はとても不快だそうだ。だから彼らは絶え間なくしゃべる。

4)聞き取りにくい場合

Please say again/repeat. Are you saying that …?
(もう一度お願いできますか? ...という意味でしょうか?)

これを言えない日本人も多い。聞き取れなくて当たり前、くらいの気持ちで聞きして良い。尚、Please repeat again. と言わないように注意。Repeatの中にagainの意味が含まれている。日本語では、「もう一度繰り返して」と言うが、英語では、Please repeat. か Please say again.のどちらかである。

5)話をさえぎられた場合

Let me finish. Could I just finish?
(最後まで言わせてください。)

質問しておきながら、答えを最後まで聞かずに自分の意見を述べて議論を吹っかけてくる人も少なくない。そのような場合、さらりと、Let me finish. と言ってよい。

6)何を聞かれているか不明な場合、くどい場合

What’s your point?
(どういうことでしょうか?)

質問の意味が分からない場合や、くどい場合に便利なフレーズである。

7)後で個別に対応したい場合

Perhaps we can talk about it when I have finished.
(後ほど話しましょう)

時間切れや突飛な質問の場合は、このように言って、終わってから個別に話をするように対応すると良い。

8)終わりにする

If there are no more questions, we should stop there/here.
(他に質問がなければ、この辺で終わりにしたいと思います。)

座長がいる場合は、座長がこのようにして締めてくれる。


これらの例の中で、

 That’s a good question. <最も頻繁に使う>
 I’m afraid I can’t answer that right now. <最も言いにくい>
 Please say again. <次に言いにくい>

この3つのフレーズは、考えなくても反射的に出てくるよう、事前に何度も声に出して練習して欲しい。目で見て黙読するだけでは、実際の場面で声になって出てこない。これは筆者の経験から断言できる。ちなみに、「言いにくい」は、発音しにくいということではなく、「そんなこと言えない」という日本人のマインドからくる「言いにくい」である。

その他、プレゼン内容に関して想定される質問とそれに対する答えを準備しておくと、慌てずに対応できる。実際にどういう質問が出るかはわからないので、準備し他答えをそのまま使えるとは限らないが、準備した「英単語」や「フレーズ」をつなぎ合わせていけば沈黙することなく何とかその場をしのげる。


声を出して練習し、場数を踏む

以上、主役「Main Body」を引き立てる脇役ともいえる「Starting presentation」、「Closing presentation」、「Dealing with questions」について、ポイントと具体例を示しながら紹介した。これらはプレゼンの内容に関係なく、幅広く活躍できる役者たちである。そして本番前に、声を出して練習し、監督の指導をうけ、時には褒められ、時にはダメ出しされる、これを繰り返して場数を踏みながらだんだん良くなっていく点は、役者もプレゼンテーションも同じだと思う。さて、次回は主役が登場する。


 第1回 知財英語コミュニケーションとは何か?
 第2回 知財英語プレゼンテーション1
     Starting presentation, Closing presentation, Dealing with questions
 第3回 知財英語プレゼンテーション2
     Main body
 第4回 知財英語ディスカッション1
 第5回 知財英語ディスカッション2(Teleconference)
 第6回 現地代理人とのコミュニケーション
     Letter and email, Interview, Dining, Office visit



第3回は、「知財英語プレゼンテーション2」として、Main bodyについて紹介する。


編集/八島心平(BIZLAW)





2016年11月11日、18日、25日の3日間にわたり、本連載著者、田中康子先生による「知財英語コミュニケーション」ワークショップが開催されます。詳しくは下記バナー先よりご参照ください。


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田中 康子

Profile

田中 康子エスキューブ(株)代表取締役・エスキューブ国際特許事務所所長
知財経営コンサルタント・弁理士]

1990年千葉大学理学部卒業。1990年より 帝人株式会社 知的財産部。2005年より ファイザー株式会社 知的財産部、2006年住友スリーエム株式会社 知的財産部。 2013年4月 エスキューブ株式会社を設立。2013年8月エスキューブ国際特許事務所を設立。現在日本弁理士会 知財経営コンサルティング委員会 委員長。




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