MENU
BIZLAW BIZLAW
Powerd by LexisNexis®
BIZLAW
BIZLAW Powerd by LexisNexis®

RSS
Google+
Twitter
Facebook
HOME

代替不可能な自分のために

元財務官僚 山口 真由

0683

成長を生きる弁護士 第3回

ワークライフバランス、進化する契約書自動作成システムへの警鐘を通して、山口弁護士が若手リーガルパーソンに伝えようとするメッセージは何か。インタビュー最終回、お話を伺った。



関連記事
 成長を生きる弁護士 第1回 キャパシティを超えた仕事が生み出すもの
 成長を生きる弁護士 第2回 「人を羨み、嫉妬する」ことからはじめる



――これから弁護士を目指す若手に対して、山口先生がお考えになる課題・問題意識はどのようなものでしょうか。

山口 弁護士に特化して、という立場からとは少し異なると思いますが……。昨今のワークライフバランスの風潮は危険だと思うんですね。特に20代は、可能な限りの時間を、「外国法分野にフォーカスします」とか「企業法務をやります」とか決めるよりも、まずとりあえず、全部やってみたほうがいいと思います。何でも経験して、来た仕事はすべて拒まないくらいの気持ちでいたほうがいい。

 そこで、一度は「自分のキャパシティを超える」という経験を積むこと。「これは絶対に無理だ、自分ではできない」という絶望を体験することが本当に大事です。
 私も、白々と夜が明け、昇る朝日を見ながら、「ここからの3時間で、これだけの量の作業を終わらせるのはどうあがいても無理だ」という経験を何回もしています。そのときの経験が、今の自分の蓄えを作っていると思うんです。

 費やした時間の分だけ伸びるというのは、どんなビジネスパーソンでも同じで、私が見てきた優秀な先生方にしろ、顕著に表れています。それにもかかわらず、20代で仕事に関わる時間を少なくするということは、その分野で一流になることを諦めることと同じだと思います。
 だからこそ、自分が仕事に生きるのかどうかということをきちんと決断して、もし仮に優先順位の中で仕事を上位に上げるのであれば、それに対してがむしゃらに突き進んでいくことが大事かなと。


――確かに昨今、特に女性弁護士のワークライフバランスが叫ばれてもいますが、その前段階にいる若い学生にとっては、まず全部やってみなさい、ということですね。

山口 たとえば、大手渉外事務所に勤めると、若いうちはそれなりの時間的なコミットを求められることは、よく知られていると思います。しかし、そういう事務所にインターンをする学生の中にも、「この事務所では、早く帰れますか」と尋ねる人がいるとか。大手渉外事務所を志望する学生の中にも、早く帰ることを優先する人が増えているということは、きっと他のところでもそうなのだろうと思いました。
 早く帰りたいという指向を持つことは、それはそれで否定されるべきことではないですが、その結果失うものはかなり大きい、ということを自覚しておくべきですね。




1 2

山口 真由

Profile

山口 真由 [元財務官僚]

1983年生まれ、札幌市出身。2002年、東京大学文科Ⅰ類に入学し、在学中に司法試験、国家公務員Ⅰ種に合格し、2006年3月に法学部を首席で卒業。同年4月に財務省に入省し、主税局に配属。2008年に財務省を退官し、2009年から2015年まで大手法律事務所に勤務。2015年7月より、2016年8月までハーバード大学ロースクールに留学。主著に『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』(扶桑社、2014)『エリートの仕事は「小手先の技術」でできている。』(KADOKAWA/中経出版、2014)『東大首席弁護士が教える「ブレない」思考法』(PHP研究所、2015)、『いいエリート、わるいエリート (新潮新書)』(新潮社、2015)等多数。




ページトップ