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ネット時代、
校閲はどう進化するか

株式会社鴎来堂代表・かもめブックス店主 栁下 恭平

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校閲と法務、そして本屋のステキな関係 interview by CORK 第3回

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「interview by CORK」鴎来堂・かもめブックス代表の柳下恭平さん第3回目。組織作りに関しての対談が続きます。福利厚生の話、そしていよいよ出版の未来への話が登場します!


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農業法人を絡めた校閲会社

コルク半井:コルクはまだ全員が比較的若いのですが、幅広い年代の方がいらっしゃる会社だと、人生の色々なステージに合わせたルールも必要ですよね。

栁下:そうですね。僕は少子化問題もなんとかしたいので、社内の仕組みやルールを作りたいと思っています。安心して子供を育てるためには、当然給与自体が上がることも必要ですが、可分所得を増やす、というアプローチも出来ますよね。

 そのためには、例えば全国的にインフラが整っているという日本の良さを生かして、家賃や物価の安い地方で生活をしながら鴎来堂の仕事が出来るよう、地方に支社を作る、とかね。営業部は東京に残して、校閲部は地方に置いたとすると、有利な点がいくつかあります。地方には子育てを優遇している市や地域が沢山あります。また、方言が読めるようになるんですよ。本の情報価値を上げるために、方言が読めるようになること、また読める人を探すことは重要です。その地域に新たに雇用を作ることも出来ますしね。

 地方法人と農業法人を絡めることも考えています。家族分のお米と野菜が手に入るって、究極の福利厚生だと思いませんか? 地方法人があることによって、そこに異動願いを出せるわけですよ。えんぴつと辞書があれば提供することの出来るサービス業を営む会社の強みですよね。現時点で在宅勤務も可能にしているので、産休後、在宅勤務を選ぶ女性もいます。女性がどうやったら働きやすい会社になるかを考えることは本当に重要です。

コルク半井:私もコルクという会社を、安心して子育てをしながら働いたり、育児休暇を取った後に復帰しやすい会社にしたいですね。

栁下:ルールを作るということは、性悪説ですから、抜け道を絶対作ることが出来るし、悪用する人もいるし、また知らないと損するものでもある。一番大切なのは子供を生むことをその会社が歓迎しているかどうか、明確にすることですね。取って欲しいのであれば、取りやすいルールになるはずです。

コルク半井:適材適所の選択肢を作っておいてあげたいです。


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「校閲」という
特殊技術が持つ可能性

コルク半井:ところで、出版業界の規模が縮小していると言われ、またその危機感も感じていらっしゃるとのことでしたが、一方でインターネット上で発表される記事や文章、個人のつぶやきや発言は増えていますね。校閲という仕事はこれから変化していくのでしょうか?また意識的に変えようとされている点はありますか?

栁下:我々の持つ校閲という技術は世界的に見てもユニークなものです。”proofreading”という単語はあっても、校閲にあたる英語はありません。しかし、日本語以外の言語から翻訳された原稿に疑問が見つかったとき、原著を調べると原著が間違っていることも多いです。

 つまり、我々の情報を正しく伝えるために疑問を出す技術、情報リテラシーは、どんな言語圏でも応用が利くかもしれない。論文や自分のプロフィールを発表する前に、第三者のチェックを入れ、情報を正確に伝えたい、自分の情報のクオリティを上げたい人は世界中にいると思います。0から1を生み出すことや、1をデザインして100にすることは出来ないけれど、100を100のまま届ける技術はあります。

 日本の市場が縮小するにあたって、海外展開はひとつの答えかもしれないですね。これから8年以内に、出版点数が下がることを体感するタイミングが来ると思っています。それまでに理想の校閲部の礎が作れるか、出来ることをやっておかなければなりません。

コルク半井:大きなビジョン語る人はいらしても、動機が自分の中から生まれている、栁下さんほどシンプルで揺るがない方はなかなかいない。私もやりたいことが増えて来ちゃいました。

栁下:言うのは簡単なんですよ。これをじゃあどうしようっていう方が実業。もっと泥臭い。

第4回に続く


聞き手/半井志央(コルク)
イラスト/羽賀翔一(コルク・http://hagashoichi.cork.mu/
写真/稲垣正倫(BIZLAW)



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 校閲と法務、そして本屋のステキな関係


Interviewer

半井 志央 [株式会社コルク 法務担当]

京都大学法学部卒業、ロンドンへの留学経験あり。
国内のメーカー法務を経て、コルクに入社し、法務・編集・経理などを担当。
編集としては、紙と電子書籍の総合書店hontoのフリーマガジンhonto+に携わる。


コルクホームページFacebooktwitter(@shionakarai)

栁下 恭平

Profile

栁下 恭平 [株式会社鴎来堂代表・かもめブックス店主]

書籍校閲専門の会社「鷗来堂」代表、神楽坂の新しい本屋「かもめブックス」店主。
世界を旅した後、28歳で同社を設立、かもめブックス開店は2014年。
校閲のプロフェッショナル

鴎来堂ホームページ http://www.ouraidou.net/
かもめブックスホームページ http://kamomebooks.jp/




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