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ルールを取り入れることの
クリエイティブさ

株式会社東京糸井重里事務所 取締役CFO 篠田 真貴子

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個々人の「動機」が会社を動かしていく原動力 interview by CORK 第3回

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「interview by CORK」のゲスト3人目は、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営や、ほぼ日手帳などの商品開発、販売、イベントの実施等を行う株式会社糸井重里事務所のCFO、篠田真貴子さん。管理部門の仕事がクリエイティブだ、と言う篠田さんに半井さんが深く切り込んでいきます。


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コルク半井:管理部門の仕事をしていると、編集や企画の人たちの方が楽しそうだな、と感じてしまうことがあります。東京糸井重里事務所はいかがでしょうか?篠田さんはCFOとして管理部門で働いていらっしゃいますが、工夫されていることや、意識されている点はありますか?

篠田:そうですね。例えば、法律や規則など、世の中のルールを理解して社内に当てはめることが管理部門の仕事だ、と考えるのをやめてみてはどうでしょう。そのルールを作った人達の動機と、それを媒介にした自分たちがコラボレーションして、自分の組織に合った形でそのルールを取り入れるのだと考えれば、管理部門の仕事もクリエイティブだと考えられませんか?

コルク半井:その考え方は、今まで持っていなかったです。もうちょっと具体的にイメージをしたいのですが、例えばどんなケースがありますか?

篠田:会社が大切にしている価値と、世の中のルールが、ともにうまく機能するためにはどうするか、を考えることが仕事だと考えられないでしょうか。例えば、労働基準法で定められた内容と、社内の現実との間のギャップがあるとき、みんなが「それがいい」と言える新しいルールや仕組みを発明できるか、とかね。

 私は、管理部門の主な顧客は乗組員だと考えていますが、ルールを守る側、守らせる側という対立する立場になるのではなく、一緒に仕事の仕方を作っていきたい。法律などで決められたことや、会社として必要なことを「やらなければならない」という側面がある仕事ではありますが、そこも含めて楽しむことが出来たら格好良いのではないかしら、と思っています。



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コルク半井:篠田さんが以前インタビューで、ご自身のお仕事をある種の「通訳」だとおっしゃっていたことを思い出しました。東京糸井重里事務所内のこと、糸井さんの頭の中にあるビジョンを外に伝える、という意味でおっしゃっているのかと思っていましたが、逆に外の言語を中の人にわかりやすく伝える、という方向もあるのですね。

 私も代表のビジョンを噛み砕いて説明したり、また法務業務としては、契約書の内容や、必要な法律知識を説明することを意識して行っているのですが、たしかにこれもクリエイティブな仕事ですね。また自分の仕事をもっとクリエイティブにしたいと強く思いました。

篠田:私は自分が1回言った内容が、100%全員に理解されると期待していません。そのタイミングで言っているのは私の都合ですから。でも、私が自分の仕事を仕事面白いと思っていれば、それは周りに伝わります。「面白そうに何かをやっているな」と思ってくれた人は、私が「これは面白い」「これが大事だ」と言っていることは、今はよくわからないけれども聞いておくか、と耳を傾けてくれます。そして熱を込めて語っていた、という感情面の印象が強く残れば、いつかその人のタイミングでその情報が気になったり、必要になったりした時に聞きに来てくれます。

コルク半井:私も代表のビジョンを理解して自分の言葉で説明出来るようになるには時間がかかります。また、自分が人に何かを教えたり、情報を発信したりするのも、タイミングが重要だなと思って、なるべく一人一人の状況を観察するようにはしています。そのこと自体も、クリエイティブな作業だと考えたら良いのですね。



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篠田:もうひとつ、何か既存のルールを取り入れなければならない場合に「なぜそのルールが出来たのか?」を調べることも、仕事をクリエイティブなものにするために良いですよ。ルールが出来た背景には、社会的な状況や、物語、発端となる事件があり、ときに人物の固有名詞までたどり着く場合があります。

 それを知ると、ルールが自分に近くなるのです。そういう理由で作ったのか、と理解が出来ると、守る側、守らせる側という上下関係ではなく、ルールに対して対等になれる。やらされ感ではなく、事情はわかりました、では、という感じになります。さらに、自分たちが大切にすべき価値の各々の距離がわかるようになる。すると、ルールがこう変わったとき、どう反応するか、社内の運用をどうしたらいいか、先読み出来るようになります。

コルク半井:なるほど、面白い!そのルールを作った人の動機を知ることによって、自分の組織にどう取り入れたら良いか、理解することができますね。そもそも、自分の仕事をどれだけ面白いものに出来るか、という点は、どんな職種の人でもクリエイティビティを発揮出来る点ですね。

篠田:私は、東京糸井重里事務所は、自分で自分のお客さまを作らないと、本当に面白くはならないところだな、とあるとき思いました。自分が作れるお客は、いわゆる読者ではなく、「会社」としての東京糸井重里事務所を面白がり、応援しようと思って下さるようなひとたちだろう、と少しずつイメージが出来、それが、例えばポーター賞への応募や、メディアで会社の話をする原動力になっています。

 どうやったらその会社で面白く仕事ができるか、は会社の個性と個々人の個性の組み合わせから生まれるものですから、そのイメージがつかめたら色々整理出来るかもしれないですね。



聞き手/半井志央(コルク)
イラスト/羽賀翔一(コルク・http://hagashoichi.cork.mu/
写真/稲垣正倫(BIZLAW)



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 個々人の「動機」が会社を動かしていく原動力


Interviewer

半井 志央 [株式会社コルク 法務担当]

京都大学法学部卒業、ロンドンへの留学経験あり。国内のメーカー法務を経て、コルクに入社し、法務・編集・経理などを担当。編集としては、紙と電子書籍の総合書店hontoのフリーマガジンhonto+に携わる。

コルクホームページFacebooktwitter(@shionakarai)

篠田 真貴子

Profile

篠田 真貴子 [株式会社東京糸井重里事務所 取締役CFO]

1968年生、幼少時代を米国で過ごす。慶應義塾大学経済学部卒、ジョンズ・ホプキンス大国際関係論修士、ペンシルバニア大ウォートン校MBA。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ノバルティスファーマ、ネスレ日本等の大手企業でキャリアを積んだのち、08年に東京糸井重里事務所入社、09年より現職。経営管理、人事制度の整備、事業戦略、企業広報など多岐にわたる業務に関わる。現在2児のワーキングマザー。




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