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真剣に乗り組み、
真剣に乗り組まれる

株式会社東京糸井重里事務所 取締役CFO 篠田 真貴子

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個々人の「動機」が会社を動かしていく原動力 interview by CORK 第2回

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「interview by CORK」のゲスト3人目は、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営や、ほぼ日手帳などの商品開発、販売、イベントの実施等を行う株式会社糸井重里事務所のCFO、篠田真貴子さん。今回は東京糸井重里事務所の人事は、なぜ当事者意識を持った人間を集められるのか、にフィーチャーしました。


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コルク半井:今のコルク、そして私自身にとって、チーム作りがひとつの課題です。前回(第1回)伺ったお話では、「ほぼ日刊イトイ新聞」のコンテンツや売られている商品は、乗組員のみなさんの「動機」から生まれているとのことでした。言い換えるとみなさんが当事者意識を持たれているということだと思うのですが、なぜ東京糸井重里事務所にはそんな人材が集まるのでしょうか?管理部門が意図的に作られた仕組みや、意識されていることはありますか?

篠田:まず、人材を募集する際の文言に特徴があると思います。募集するチームのメンバーが、自分の言葉で、求める人材や自分の職場のことを説明します。文章を掲載することもあれば、動画を撮影することも。乗組員(※)が自分の仕事が面白い、と感じていることが伝わっているから、この会社での仕事を面白がることが出来る人が集まるのではないでしょうか。

※東京糸井重里事務所では社員を乗組員と呼ぶ(参考:https://cakes.mu/posts/6202)


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コルク半井:それは効果的ですね。求められている人材像がはっきりしていると、応募する側は自分自身がそこにフィットするか、考えなければなりません。

篠田:応募書類を提出する、という過程でも、動機が問われるものになっています。一緒に働くメンバーになるかもしれないかたのことを知るために、こちらから沢山のことを聞くからです。また、正社員の場合は、推薦状を必要書類にしています。誰かに推薦状を依頼する、という時点で、なぜここで働きたいか、説明する必要がある。応募前に、本気の自問自答や、言語化を促しているのだと思います。

コルク半井:応募書類というと、「志望動機」や「自己PR」を想像するのですが、何かほかに、企画書を書かせたりするのでしょうか?

篠田:それは募集ごとに変わります。提出してもらう内容はすべて、募集するチームが毎回ゼロから考えます。なぜこのチームが人を募集するのか、どんな人に来てほしいのか、どんな人に合った環境か、ということを胸を張って言えるまで話合いを重ね、募集の文言、応募書類、条件などを決めていきます。

 すると、募集する側も、当事者としての覚悟が生まれます。新しいメンバーが入ってきたあとも、その人材を活かすためにどうすればいいかを考えるところまでがそのチームの責任だという自覚を持つ。それが、長い目で見ると、採用する側、される側、ひいては全員の日々の仕事の当事者意識にもつながるのではないかしら。


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コルク半井:今のような募集や選考は、会社設立当初から実行されていたのですか?

篠田:試行錯誤しながら今のスタイルになったのは5年位前かしら。会社の事業面での成長に伴い、一般的な「会社」とは少し違う、という面を、評価してくれる人の存在を知り始めてから出来るようになったことです。事業が成長したことにより、自分たちの仕事が認知されている実感を得る、そして「次はこう広げたい」という欲が出てくる。その欲を人に語っても笑われないという事実や実績を感じる、という積み重ねから、乗組員に健全な謙虚さと自信が身につきました。

コルク半井:乗組員のみなさんだけの変化ですか?社長の糸井重里さんは最初から今の考え方でいらしたのですか?

篠田:糸井自身も変わりましたよ。個人的にやりたいことのために作った会社でしたが、成長するにつれ、事業として継続したいと思い始めたそうです。すると「どういうチームでありたいか」を問いかけるようになり、人材への意識も変わりました。糸井は「こういう人を採用しろ」とは言いませんし、乗組員も「糸井さんがどういう人を採りたいか、きこう」とは考えません。自分たちがどういう人を採用したいか、乗組員が考えるチームに育っています。

コルク半井:なるほど、チームを作る、という意識をみなさんが持たれているのですね。社員のみなさんのことを「乗組員」と呼ばれている理由も、そこにあるのでしょうか。

篠田:そうですね、会社を船と考えています。東京糸井重里事務所が出来た時からずっと変わらない点です。乗組員は全員がひとつの船に乗った運命共同体であり、誰一人として欠かすことのできない役割を担っている。リーダーである糸井は進路を決めるという役割であるだけで、上下関係はありません。そういう組織なんだ、そういう組織にしていくんだ、という意識は、糸井が初期から強く意識していることで、乗組員全員に浸透しています。自分の動機で働くこと、なるべく誰かの都合で仕事しないこと、を意識して、その環境が心地良いと思っている人が集まった会社です。

第3回に続く


聞き手/半井志央(コルク)
イラスト/羽賀翔一(コルク・http://hagashoichi.cork.mu/
写真/稲垣正倫(BIZLAW)



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 個々人の「動機」が会社を動かしていく原動力


Interviewer

半井 志央 [株式会社コルク 法務担当]

京都大学法学部卒業、ロンドンへの留学経験あり。国内のメーカー法務を経て、コルクに入社し、法務・編集・経理などを担当。編集としては、紙と電子書籍の総合書店hontoのフリーマガジンhonto+に携わる。

コルクホームページFacebooktwitter(@shionakarai)

篠田 真貴子

Profile

篠田 真貴子 [株式会社東京糸井重里事務所 取締役CFO]

1968年生、幼少時代を米国で過ごす。慶應義塾大学経済学部卒、ジョンズ・ホプキンス大国際関係論修士、ペンシルバニア大ウォートン校MBA。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ノバルティスファーマ、ネスレ日本等の大手企業でキャリアを積んだのち、08年に東京糸井重里事務所入社、09年より現職。経営管理、人事制度の整備、事業戦略、企業広報など多岐にわたる業務に関わる。現在2児のワーキングマザー。




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