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法改正で
情報は漏れやすくなる?

筑波大学図書館情報メディア系・准教授 石井 夏生利


外国事業者にも
国内法を適用へ

――個人情報の取り扱いについては、外国事業者への対応が問題になっていましたが、法改正でこの点はどのようになるのでしょうか。

石井 個人情報保護法は、日本国内での個人情報の取扱いに適用されますので、外国企業や日本企業の海外の子会社が、個人情報データベース等を海外で利用する場合には適用されません。その結果、日本人の情報が取り扱われる場合でも国内法を適用できない場面がありました。そこで今回の法改正では、外国事業者についても国内法を適用できるようにするために、個人情報取扱事業者の該当要件を見直すことになっています。国外適用規定ができれば、国内企業が法の適用を免れるために海外法人を使うといったこともできなくなります。これは大きなトピックといえるでしょう。
 ちなみにヨーロッパでは、Googleなどのアメリカ企業が多くの個人情報を取得し、それをビジネスに活用していることに制約をかけるため、個人情報保護を手厚くしてアメリカ企業の躍進を抑えたいといった政治的意図もあるように思います。

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個人情報収集を目的に国内企業が海外法人を設立した場合、これまでの個人情報保護法は日本国内での個人情報の取扱いを規律するものであったため、海外のみで個人情報データベース等を扱う外国事業者には適用されなかった。改正後に国外適用規定ができれば、外国事業者にも個人情報保護法が適用されるため、流出時の罰則規定等が外国事業者にも科せられることとなる。

個人情報より
厳重管理が必要なマイナンバー

――社会保障・税番号制度(マイナンバー法)が成立しました。これについて企業への影響を教えてください。

石井 個人情報保護法の特別法ではありますが、多くの特徴があります。第一に、小規模な事業者でも個人番号を取り扱うこと。源泉徴収義務を負う事業者は、従業員からマイナンバーを取得し、法定調書に記載して行政機関に提出しなければなりません。個人情報保護法は、個人情報を5000件を超えて保有する事業者に限られていましたが、マイナンバー法にはそのようなルールはありません。第二に、個人番号や個人番号の含まれた個人情報(特定個人情報といいます)には厳重な管理が求められることです。社会保障や税に関わる機微な情報を取り扱いますので、万が一、流出してしまった時、深刻な影響が出るおそれがあります。このため、個人情報保護法よりも厳しい保護措置が必要になります。
 ただし、早急にマイナンバー法への対応を迫られているのは、自治体です。自治体はマイナンバー制度のメインプレーヤーだからです。民間企業については2016年から順次個人番号の利用が開始されます。個人番号を取り扱う業務の委託を受けるような場合を除き、民間事業者はマイナンバー制度のメインプレーヤーではありませんので、あまり焦る必要はありません。とはいえ、個人情報保護の観点で言えば大きな変更をもたらした法律ですので、企業は早めに対応準備を行っておくに越したことはありません。国民の反応については、住基ネットの時より関心が低いといえるでしょう。

第3回へ続く


文/笠原崇寛
写真/柏崎佑介
編集/八島心平(BIZLAW)


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 「個人」をめぐる法と日本


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石井 夏生利

Profile

石井 夏生利 [筑波大学図書館情報メディア系・准教授]

1974年神戸市生まれ。1996年司法試験合格。1997年東京都立大学(現首都大学東京)法学部法律学科卒業。1999年~2004年、ユニ・チャーム株式会社勤務。2007年中央大学大学院法学研究科国際企業関係法専攻博士後期課程修了、博士(法学)。2004年11月以降、情報セキュリティ大学院大学助手、助教、講師、准教授を経て、2010年4月より現職。




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