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依頼者の
幸せづくりをお手伝い

弁護士法人パートナーズ法律事務所代表弁護士 原 和良

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弁護士もセカンドオピニオンの時代 第1回

 弁護士の数が激増して競争が激しくなる中、旧態依然とした顧客対応への不満、事務所の経営難、スキル不足、法改正の見過ごし等による弁護過誤、懲戒申立、クレームが増えている。その一方、利用者である一般市民は、弁護士を委任途中で替えられることを知らないか、弁護士の変更に強い躊躇を覚えているのが現状といいます。
 原和良氏は、パートナーズ法律事務所代表弁護士、ベンラボ(注1)代表理事で、東京弁護士会綱紀委員として数々の弁護士の非行、不祥事を見てきました。本稿では、依頼者の権利としての「セカンドオピニオン」をテーマに、3回にわたってインタビューをお届けします。
 第1回は、原先生が大事にしている仕事の仕方、依頼者との関係づくりのスタンスについてお聴きします。


長い目で見て信頼される、
というスタンス

――弁護士を目指したきっかけを教えてください。

 もともと高校時代から、会社勤めはあまり考えていませんでした。浪人して九州から上京し、大学へ入りました。麻雀にはまってプロ雀士になりたいと思った時期もありましたが、力及ばず。

 実力で勝負できる世界の一つとして、司法試験にチャレンジしました。周りの友人が挑戦して受かっている姿にも刺激されて、「頑張れば何とか受かるのかな」と思い、司法試験を目指しました。


――弁護士になって以来、ずっと心がけていることはありますか。

 最初に入所した事務所の先輩弁護士から、「特に一般民事事件では、報酬は二次的な問題であって、目の前にいる依頼者が今後の人生で色々なトラブルや法的問題に直面しても、一生付き合える関係をつくることが大事。そうすることで信頼できる弁護士となり、依頼者との付き合いが長く続くのだ」と教わりました。

 報酬の多寡に関わらず、依頼者の要求・人生・人権を最大限に守る。事件解決という狭い枠にとどまらず、依頼者の人生の悩みも夢も含めてバックグランドにある問題を一緒に考え、受け止め、幸せづくりのお手伝いをする。そうした事件解決を心がけています。

 特に中小企業の売掛金回収や労使トラブル等の相談は、企業が抱える問題の氷山の一角であって、信頼関係が深まりいろいろな話を聞いていくと、背景にある問題がみえてきます。その問題がたまたま事件という形で表れたのであって、事件だけを見ていても解決しません。根本的な解決をして前を向くために、どうしたら力になれるのかを考えることが、とても大事です。

 今は業界全体の経済状況があまり良くないので、目先の着手金や、その事件でいくら稼げるかということに目が行きがちです。しかし、こういう時こそ長い目で見て、親の代から子どもの代、孫の代まで慕われ、信頼される。企業との付き合い方も、会社が発展していくことを支援してお客様の成功を一緒によろこんであげる。仕事の仕方も依頼者との付き合い方も、そうしたスタンスで臨んでいます。


――原先生が取り組むベンラボの活動は、若手弁護士の研修の機会をつくって、依頼者に最良のサービスを提供するための指導・育成をされていますね。

 これまで弁護士は社会的に見れば比較的高い社会的地位がありましたが、それが今揺らいでいます。やはり市民からみて頼りがいのある良い弁護士がたくさん育っていかないと、依頼者の権利の実現はできません。法律家が法律に基づいてトラブルを解決していくという意味で、良い敵型の弁護士・相手方代理人を育成することも必要だと考えています。弁護士の品位や実力が全体として向上することが、依頼者の利益のためになるのです。


刑事事件の経験が、
弁護士としての血肉となる

――原先生は、現在どのような業務を取り扱っていますか。

 現在は一般民事が中心で、契約関係・労使問題・海外進出等の中小企業の法務、相続、離婚、破産、不動産関係等です。今特に力を入れているのは、中小企業を中心とした契約関係や労使トラブル、それから、珍しいかもしれませんがASEANを含めた海外進出のサポート、クロスボーダーの事件(注2)です。

 過去には痴漢冤罪などの刑事事件(注3)も担当しました。痴漢冤罪は、弁護士の戦いの成果だと思いますが、否認した場合の勾留請求の却下率は徐々に改善してきています。ただ、検察庁や警察にまだ旧い体質が残っていて、本質的な構造は変わっていないですね。

 良い弁護士になるためには、どこかの時期で刑事事件にきちんと取り組むことが大事だと思っています。ある意味、筋トレみたいなものです(笑)苦労し、悩み、解決する経験が、血となり肉となる。私の経験上、それが一般民事事件や企業法務にも役立っています。

第2回へつづく


 文/冨岡由佳子
 取材・撮影/木村寛明(BIZLAW)




※注
(注1)ベンラボ
Benlabo。弁護士業務支援コミュニティ。弁護士のサービス向上を支援する非営利法人。志の高い弁護士が集まり、未来の弁護士のあり方を真剣に追求するコミュニティ。顧客満足や人権問題・社会紛争という新しい社会ニーズに応えられる社会的価値の高い弁護士を育成することを目的とする。ビジネスモデル構築支援と認識やスキルアップ支援を行う。
■「Benlabo」URL:http://www.benlabo.org/

(注2)クロスボーダーの事件
企業の国際取引を巡る紛争。国際相続事件や、海外企業・事業者との契約締結交渉や契約書の作成、契約履行をめぐる紛争、国境をまたがる企業のM&Aなどを取り扱っています。現在、タイ王国とポーランドの法律事務所と業務提携を行い、タイのバンコクに弁護士を常駐させています。その他の国々にも、現在提携法律事務所、弁護士のネットワークを広げているところです。

(注3)痴漢冤罪などの刑事事件
東京高裁で逆転無罪判決をとり、2007年公開の映画『それでもボクはやってない』のモデル事件の一つとなった。痴漢は、許されない卑劣な犯罪行為であるが、被害者の供述以外に物的証拠が乏しいケースが多く、中には人違いや勘違いで男性が逮捕・勾留されるケースが相次いでいました。否認すると被疑者は逮捕・勾留され長期間の身柄拘束を余儀なくされるため、「泣き寝入り」冤罪が社会問題にもなっていました。何件かの冤罪事件に取り組みましたが、裁判所の壁は厚いものでした。平成18年3月8日に東京高裁で逆転無罪を勝ち取った事件は、いわゆる人違い事案と言われるケースで、被害者供述における被害態様は、実行不可能であることを立証することによって無罪判決を得ることができました(「逆転無罪の事実認定」原田國男著、92ページ以下参照)。




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 弁護士もセカンドオピニオンの時代

原 和良

Profile

原 和良 [弁護士法人パートナーズ法律事務所代表弁護士]

1963年佐賀県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1995年弁護士登録(東京弁護士会)。2007年パートナーズ法律事務所設立、2012年弁護士法人パートナーズ法律事務所設立。現在、弁護士法人パートナーズ法律事務所代表弁護士、一般社団法人弁護士業務研究所(ベンラボ)代表理事、東京中小企業家同友会理事等を務める。
労働事件(労働者側)、公害事件、痴漢冤罪事件等を手がける。現在は、中小企業の法律・経営問題、海外進出の援助、若手弁護士の指導・育成等にも力を注ぐ。
主な著書に、『弁護士研修ノート』(レクシスネクシス)他多数。




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