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弁護士の経験が、
ビジネスへの自信を加速させる

CocoPPa, Inc. Chief Administrative Officer、
Chief Financial Officer、General Counsel 木村 剛史

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『エリート弁護士からインターネットビジネスへ』 interview by CORK 第1回

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編集部が興味本位で企業・人訪問するコーナーが、スピンアウト。出版エージェンシーであるコルク法務部の半井さん の「interview by CORK」がはじまります! 最初にご登場いただくのは、弁護士からスマホの着せ替えアプリ「CocoPPa」(「ココッパ」)を扱うIT企業へ転職した木村剛史さん。四大法律事務所に加えて東証・金融庁・NY大手法律事務所でも働くなど、弁護士としてはエリートといわれる道を歩んできたわけですが…




半井 まずはCocoPPa(※)のサービスについて、聞かせてください。私は実は使っていなかったのですが、木村さんとお会いすることになって使ってみました。画面が一気に可愛く華やかになって、もう手放せなくなりました!

 ※ https://cocoppa.com/

木村 ありがとうございます。CocoPPaは、スマホの壁紙とアイコンを替えることができるアプリです。全世界で3200万ダウンロード(編注:2014年12月現在)を越えており、そのうち30%弱がアメリカのユーザーです。
 もはや世界でも通じる「Kawaii」が、特にアメリカのティーンエイジャーの女の子に受けたんですね。それと、ただの着せ替えアプリではなく、SNSであることも支持を得られた理由の1つです。誰かが心をこめて作ってアップした壁紙やアイコンを、ほかのユーザーが、シェアしたり、いいね!したり、ダウンロードしたりできるので、コミュニティとして発展していきました。UGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ。ユーザーが作り出すコンテンツ)を通じて盛り上がっているので、有料コンテンツはまだ脇役といった感じです。

半井 UGCベースということは、ゲームやマンガの世界に通じるものがありますね。たしかに、お話を聞く限り、可能性にあふれていて、転職先としては魅力的に感じます。3200万ダウンロードというのがピンときませんが…、ちょっと調べてみるととてつもない数字ですね…、だいたいパズル&ドラゴンズと同じなんですね。
 ところで、木村さんが入社されたのはそのCocoPPaを運営するユナイテッドではなく、アメリカ現地法人だとお聞きしていますが。

木村 はい。日本本社のユナイテッドは、CocoPPaが日本発のアプリとして特にアメリカにおいて躍進したことをチャンスととらえ、アメリカに現地法人CocoPPa, Inc.を作りました。私が所属しているのは、このCocoPPa, Inc.です。日本本社のユナイテッド法務部でスーパーバイザーを兼ねてもいます。

 CocoPPa, Inc.は、現在二つのアプリを新たにリリースしています。1つは「Hip Screens」(※)です。壁紙などを変えられる点はCocoPPaと同じですが、UGCを中心とするCocoPPaと大きく違うのは、ライセンスを受けたコンテンツを有料で配信している点です。優良な有料コンテンツにどれくらい需要があるかをみる実験的なところを兼ねており、映画、アーティスト、アニメ、スポーツなどのコアファン向けの着せ替えアプリを目指しています。

 ※ iOS用 http://bit.ly/1ATPOIy、 Android用 http://bit.ly/1E6cX0R

 もう1つは、去年のクリスマスにリリースしたばかりの「CocoPPaホーム」(※)というランチャーアプリです(※※)。世界でスマホユーザーがどんどん増えている今、起動するたびにユーザーが目にするホーム画面を自社のアプリで占められるメリットは大きい、と考え、参入しました。CocoPPaのブランド力と、人気キャラクターや著名アーティストなどの大型ライセンスで、世界を狙っています。

 ※ http://bit.ly/1y3dnNd
 ※※ ランチャーアプリとは、スマホのホーム画面を自分好みにカスタマイズすることができるアプリ。



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半井 ということは、ライセンス回りの仕事が大変そうですね。

木村 もちろんそうですが、それだけではありません。私はCocoPPa, Inc.ではCAO(Chief Administrative Officer)とCFOとGeneral Counselを兼ねています。なんだか盛りだくさんですが、要するに、CEOが事業に専念できるように、総務、経理・会計・財務、法務、経営管理面などをカバーしています。それに加えて、アプリの運用・マーケティングなど、ビジネスも担当しています。何でも屋さんですね。今は部下がいないので、それこそ、銀行に電話をして「このお金落ちなかったんですけど、どうしてですか?」とか聞いたりもしています(笑)。

半井 すごく忙しそうです。今も空いた時間をつかってスカイプでインタビューさせてもらっているわけですし(編注 インタビューはアメリカと日本をスカイプでつないで行われました)。ところで、ユナイテッドは何を狙ってアメリカに進出したのでしょう?

木村 大きく、2つの理由があります。
 まずはコンテンツ。きちんと権利処理された優良コンテンツを配信している着せ替えアプリは、まだ市場に多くありません。エンターテイメント産業の盛んなアメリカで、優良な大型コンテンツのライセンスを受けることができれば、大きなアドバンテージになります。
 もう1つの理由は、アプリ開発。なんだかんだいって、技術とサービスが一番進んでいるのがアメリカなので、アプリを共同開発するパートナーと密にコミュニケーションをとるために、カリフォルニアに拠点を置くこととしました。

半井 木村さんは事業への理解度が深いですよね。しかも様々な役割を担われていらっしゃいますが、CocoPPa, Inc.に入られたのはいつですか?

木村 2ヶ月ほど前です。

半井 まだ入られてすぐなのですね!入社直後から、日本の法務もCocoPPa, Inc.のビジネスもすべてみられているのですね。入社前に不安はなかったですか?

木村 なかったですね。おそらくできると思っていました。

半井 社員の方とのコミュニケーションとか、ビジネスの理解に時間かかるとか、色々と転職時には課題があると思うのですが、苦労されたことはありますか?

木村 もちろんはじめは分からないことだらけで苦労の連続です。毎日四苦八苦して何とか回している状況です。ただ不安はありません。きちんと時間をかければビジネスも税務や財務もこなすことができる自信がありますし、理解すれば、あとは知恵を絞って自分なりの付加価値を生み出していくことができると思っているからです。

 この自信は過去の勤務実績からきています。弁護士を5年経験してから東証・金融庁で働きました。そこでは弁護士と似たようなことをするのだろうと思われるかもしれませんが、8割以上はまったく違う仕事です。不正会計をした企業の財務諸表を読み解いて犯人と一騎打ちしましたし、半沢直樹に出てくるように大手銀行の資産査定で区分の不適切さを追求したりもしました。弁護士としてやったことのなかったことばかりです。でも、私が弁護士事務所で徹底的に叩き込まれた基礎は、「事実調査とリサーチをくまなくして、期限内に言い訳せずに最高の結論を導き出すこと」です。それは法律家であれ規制官庁であれビジネスであれみな同じです。もし自分に経験が足りなければその道のプロに聞いて経験則を補えばよい。それもリサーチ力の1つです。

半井 ビジネスと法律は違うとよく言われますが、木村さんは基礎は一緒だと思われて実践されているのですね。
 入社前に「こういうことがやりたい」と思っていたことと、実際にやることになった仕事とに、ギャップはありましたか?

木村 大きくは違いません。実は本当にやりたかったことは、温めてきた自分のビジネスアイデアを実現させることなんです。でもその前に、まずは今のCocoPPa, Inc.のビジネスをきちんと軌道に乗せていかなければなりません。一人前のビジネス運営者、経営者になるにはまだまだたくさんのことを学び、経験し、自分自身を磨かなければなりませんし、そのために、自分が会社に対してどのような付加価値を生み出していくべきか、もっと真剣に考えないといけません。

 弁護士がインターネットビジネスをするなんてかなり唐突に聞こえるかもしれません。でもそれは今しか挑戦できないことなので、自分の信念に従って決断し、人生の舵を切ることとしました。

 こうしたことに大きな不安をもたずに挑戦できるのは、自分には「内実」と「形式」の両方が備わってきたからだろうと思っています。
 法律事務所時代に激務の中、死にそうになりながら働いてプロとしての責任を果たし続けた経験やそのときに積み上げた知識。古いものだと、幼少時代から勉強だけでなくスポーツも音楽も色々とやって成果を出してきた経験。こういった蓄積は自分に自信を持つために当然に必要なものです。これは内実ですね。自分に備わってきている実力。それに加えて、形式とは、資格や学歴・職歴といったものです。ないときには気づかなかったのですが、そういったものがある程度積み重なってくると、普通は物怖じしてしまいそうなことにも、大きな一歩を踏み出せるようになるのだと思います。安心材料にもなってくれますしね。
 過去の積み上げたものにこだわらないで未知なる方向に一歩踏み出す勇気を持つためには、どちらもとても大切だったと思っています。

第2回に続く


聞き手/半井志央(コルク)
イラスト/羽賀翔一(コルク・http://hagashoichi.cork.mu/
写真/稲垣正倫(BIZLAW)



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 エリート弁護士からインターネットビジネスへ


Interviewer

半井 志央 [株式会社コルク 法務担当]

京都大学法学部卒業、ロンドンへの留学経験あり。国内のメーカー法務を経て、コルクに入社し、法務・編集・経理などを担当。編集としては、紙と電子書籍の総合書店hontoのフリーマガジンhonto+に携わる。

コルクホームページFacebooktwitter(@shionakarai)

木村 剛史

Profile

木村 剛史 [CocoPPa, Inc. Chief Administrative Officer、
Chief Financial Officer、General Counsel]

ユナイテッド株式会社シニアディレクター。
日本・米国ニューヨーク州弁護士。東大法卒、バージニア大学ロースクール(LL.M.)卒、ハーバードビジネススクール(EE/HPLP)修了。西村あさひ法律事務所勤務、東京証券取引所自主規制法人(現日本証券取引所自主規制法人)出向、金融庁検査局勤務、Debevoise & Plimpton LLP (ニューヨークオフィス)出向を経て現職。
主要アプリ 「CocoPPa ホーム」 http://bit.ly/1y3dnNd




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