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政策の変遷から
環境関連法改正の動向までを学ぶ

2015年度 ソフィア・エコロジー・ロー・セミナー 

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2015年度ソフィア・エコロジー・ロー・セミナー レポート 第2回

 2015年9月28日から11月16日にかけて、全6回にわたり「CSRと環境法を考える連続セミナー(ソフィア・エコロジー・ロー・セミナー(Sophia Ecology Law Seminar, SELS))」が上智大学法科大学院で開催されます。これは上智大学法科大学院が提唱している環境法政策プログラム(Sophia Environmental Law and Policy Program, SELAPP)の一環であり、弁護士、行政職員、企業法務職員などの法律実務家、環境法の順守に関心を持つ企業人、そして、大学院生・学部学生といった幅広い受講者層を想定しています。
 本セミナーのスローガンは、「より佳き環境法の実現に向けて」。このレポートでは、9月28日、10月5日行われたセミナーの様子をご紹介します。



 10月5日、135名以上の申込みを受け、「CSRと環境法を考える連続セミナー」の第2回が開催された。講師は、鈴木敏央ISO事務所代表の鈴木敏央氏が務め、テーマは、「企業と環境法の半世紀:~環境法と企業はどのように変わったか~」である。主な内容は、以下の3点に要約できる。

 1つは、1960年代から現在までの、環境政策と産業環境対策の変遷である。1960~70年代にかけて大気・水質等の産業公害が社会問題化し、4大公害が発生した。そうした事態を受け、1970年の公害国会において14にのぼる環境法の制定、改正が行われ、直罰制、両罰規定などの厳しい規制や地方自治体の上乗せ・横出し規制を認める法律も現れた。
 また、1972年のストックホルムでの国連人間環境会議では、大石環境庁長官が「だれのための、何のための経済成長か」という疑問を投げかける演説を行い、それ以降、日本の産業界も経済成長優先から人間尊重へと転換することとなった。

 1980年~90年代前半には、地球温暖化対策や循環型社会の形成という新たな課題に対して、企業の自主的取組みが拡大した。予防措置が経済的である、との企業意識が芽生えたためである。
 1990年代後半~2000年代前半にかけては、EU市場における企業競争を意識し、企業の自主的な環境配慮・環境経営が拡大した。現在は、環境対応を企業行動に組み込まなければ勝負できない時代になったといってよい。


 2つ目は、企業による違反事例とその後の対応モデルである。法違反をする企業は後を絶たない。大企業による公害関連不祥事や、食品業界の不祥事頻発などもその例である。しかし多くの場合は、それらの企業もISO認定を受けており、認証機関、審査員に対する不信感の増大も問題となっている。

 他方で、例えばRPFなど毎回組成の異なる燃料を用いる場合には規制基準値を必ずしも達成できないという技術的な問題があるものの、こうした実情に関して、規制者の現場への理解が乏しいという指摘もある。このような問題はあるものの、企業としては現行法制度に則り対応をしなければならない。

 違反行為後の注目すべき対応モデルとして、JFE水質データ改ざん事件がある。この事件に関し、JFEはシステム・インフラ・人の3つの観点から再発防止対策を講じるとともに、その対応を全てHPで公開した。特にその取組みのうち、全エンジニアへの公害防止管理者の国家試験受験の義務付けは、自覚教育対策として特筆すべきものである。


 最後は、近年の環境関連法改正動向とISO26000である。法制度改正の注目点として、蛍光灯等の水銀使用製品の無許可製造禁止と使用制限、住宅トップランナー制度、フロン排出抑制法での管理者の定期点検、省エネ法における電気需要の平準化などがある。

 一方、ISO26000では環境を中核主題の一つとしており、企業には法制度改正を追いながら適切な環境経営を行う責任がある。具体的なリスクであるリーガルリスクと事故・緊急事態リスクを減らすため、リスクマネジメントのシステムを確立することが肝要である。これらのリスク対応が、環境問題の改善及び企業の責務を果たすことにつながる。

第3回につづく


 文・上智大学法学部 瀧澤孝平
 制作・BIZLAW編集部


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