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環境問題は企業にとっての
「リスク」と「チャンス」

2015年度 ソフィア・エコロジー・ロー・セミナー 

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2015年度ソフィア・エコロジー・ロー・セミナー レポート 第1回

 2015年9月28日から11月16日にかけて、全6回にわたり「CSRと環境法を考える連続セミナー(ソフィア・エコロジー・ロー・セミナー(Sophia Ecology Law Seminar, SELS))」が上智大学法科大学院で開催されます。これは上智大学法科大学院が提唱している環境法政策プログラム(Sophia Environmental Law and Policy Program, SELAPP)の一環であり、弁護士、行政職員、企業法務職員などの法律実務家、環境法の順守に関心を持つ企業人、そして、大学院生・学部学生といった幅広い受講者層を想定しています。
 本セミナーのスローガンは、「より佳き環境法の実現に向けて」。このレポートでは、9月28日、10月5日行われたセミナーの様子をご紹介します。



 9月28日、ソフィア・エコロジー・ロー・セミナーのAセミナー「CSRと環境法を考える連続セミナー」がスタートした。そのコンセプトは、「より佳き環境法」(北村喜宣上智大学教授の表現)を実現するために、「企業の社会的責任(CSR)や企業環境法の現状や課題について、その第一線で活躍する関係者たちが講義し、今後の展望について語り合う」ことである。(有)落思社代表取締役/環境経営部門チーフディレクターの安達宏之氏が、コーディネーターと初回講師を務める。今回のテーマは、「環境法、企業の現場で何が問題となっているか」であり、その要旨は、以下の通りである。

 まず、企業にとって環境法対応は重要である。それは、環境問題が企業にリスクとチャンスをもたらすからである。リスクとしては、環境規制の強化、法違反に伴う社会的評価の低下、顧客離れによる売上減などがある。他方で、チャンスとしては、省エネや再生可能エネルギー分野における、新たなマーケットの創出・発展が挙げられる。こうした事情により、環境法対応は、企業の経営課題となっており、現在では、多くの企業が、ISO14001の仕組みに従って環境法に対応している。しかし、それでも環境法違反は生じている。それはなぜだろうか。

 1つは、現行の環境法が様々な課題を抱えているためである。例えば、廃棄物処理法にあっては、事業者にとって産業廃棄物と一般廃棄物の区分が難しい。また、フロン排出抑制法は、業務用エアコンのユーザー規制につき、機器のスペックと無関係に規制対象とする規定ぶりをするため、管理者間で不公平が生じうる。さらに、悪臭防止法については、自治体が「特定悪臭物質濃度規制」から「臭気指数規制」に切り替えることを告示で周知するなど、行政による情報発信のあり方に疑問がある。これらは、環境法側の問題であり、実効性・効率性・比例性・未然防止性・公平性を備えた「より佳き環境法」の形成が求められる。

 もう1つの理由は、企業の側も問題を抱えているためである。PCB入りの高圧コンデンサを紛失した企業の報道発表資料を分析すれば、環境マネジメントシステム(EMS)が形骸化していたことがよくわかる。同様の例は少なくない。こうした形骸化は、法改正を追わないこと、事業環境(事業内容や事業エリア)の変化を管理しないこと、新任の担当社員に法管理能力がないことによって生じる。企業は、「法・業・人」が動いていることを理解し、効果的なEMSを構築する必要がある。

 最後に、法順守の課題を乗り越えるために、企業は何をすべきか。企業の課題と環境法の課題を洗い出すとともに、環境保全が持続可能な経営に不可欠であることを認識すべきである。環境法対応に向けたヒントは、改正ISO14001に示されている。とりわけ、「順守義務」を組織にどう適用するか、「順守評価」の仕組みをどのように構築していくかが、鍵となろう。

 第1回セミナーには、125名を超える申込みがあり、その属性は、企業関係者、弁護士、公務員、学生など様々である。「より佳き環境法」の実現に向けた取組みが、今まさに始まった。

第2回につづく


 文・上智大学法学部 瀧澤孝平
 制作・BIZLAW編集部


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