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AIがもたらす知財ポートフォリオ開発&
マネジメントの新しいカタチ

Oracle 弁護士、Sr. Patent Counsel & Innovator エリック・サットン

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深層学習などの人工知能やデータ分析を使った業務は、New Normal(新たな常識)となりつつある。
米国Oracleのシニアパテントカウンセルを務め、米国特許庁などへの発言力を持つエリック・サットン氏に業務の質・量の改善、特許の品質向上、効率的なポートフォリオの把握・管理について話を聞いた。

(制作/レクシスネクシス・ジャパン広告出版部)

>> English Version

― エリックさんは、Oracleと米国の知財業界において、どのような役割・活動をされていますか。

私は、Oracleのチームにおいて、クラウド分析、Java、ビジネス・アプリケーション、およびデータとマーケティング・クラウドに関するさまざまなビジネス・ユニットに関する重要な特許ポートフォリオを管理しています。また、社内外での特許品質の向上にも責任を負っています。 社内では、全社的な特許品質調査を実施し、特許ポートフォリオの問題点を発見・解決しています。社外では、特許実務に関する質の高い弁護士の技量とデータ分析の重要性を明らかにするために、特許品質の研究を行っています。


― USPTOの円卓会議にも参加されていますね。

カリフォルニアで初めて開催された第2の特許適格性についての円卓会議で、米国特許制度の適格性の法的概観について論点を話すよう、USPTOから招かれました。私は、特許法第101条に基づく特許適格性とソフトウェア関連技術との共通部分に焦点を当てました。この点に関する私のアプローチは、USPTOでのポスト・アリス分析における高いレベルでの相異に取り組む前に、実際にポスト・アリスを改善した特許適格性の状況のいくつかの側面を強調しており、バランスがとれていると思います。
円卓会議の後、特許適格性についての公衆からの見解および推奨事項に関する報告書において、特許弁護士が、特許適格性の問題を提起する可能性が低いUSPTO審査官(Art Units)に対して主張する際に「フォーラムショッピング」が起こるという事実について、USPTOは私の意見を引用しました。
USPTOで特許権利化を進めるために、データ主導型のアプローチを利用する例について、私のブログ( http://www.patnotechnic.com/ )で広く述べています。私たちはこの分野についてさらに学び続けているからです。


― Oracleの特許ポートフォリオの概要および特徴について教えてください。

Oracleの特許ポートフォリオは、ソフトウェアとハードウェア領域の両方において多種多様な技術をカバーしています。ソフトウェア分野のすべての企業の新技術を調査したり、当社製品のオラクル市場のテクノロジーを調べたりすると、それらの背後にある強力なOracleの特許ポートフォリオを見つける可能性があります。これは、Oracleのエンジニアが開発したイノベーションを評価し、さまざまな事業分野にとって重要で主要なコンセプトを特定してきた結果です。


― 特許ポートフォリオ構築(開発)と管理にあたって、エリックさんはどのようなポリシーを持っていますか。また何を重視していますか。

強力な特許ポートフォリオを構築する上で最も重要なことは、明確なポリシーと効率的なツールを用意して、自社の技術の積み重ねを完全に網羅し、不完全または不十分な情報に基づいて行われる弁護士の提案や手続きなど、手作業によるレビューおよび手続きにおける必然的な限界を積極的に探し出して是正する事です。


― なぜOracleではPatentAdvisor(※)を使ったポートフォリオ管理を行っているのでしょうか。

PatentAdvisorはいくつかの重要なギャップを埋めてくれています。さもなければ、合理的なポートフォリオ管理が達成不可能な目標になってしまいます。PatentAdvisorは、米国特許庁審査官の指標を提供している事で良く知られており、単に出願案件を放棄する時だけでなく、案件にどのように対処するか、審査官インタビューにおいてどのような補正を提案するか、特定の審査官に対してafter-final replyあるいはpre-appeal briefを提出するかどうかについての洞察を提示します。
あまり知られていないのは、PatentAdvisorが企業の方針に照らして不適切である、またはポートフォリオ管理者による検討および承認が必要な特許権利化手続きのパターンを、ポートフォリオ管理者に自動的に警告する機能を提供することです。これにより、ポートフォリオ管理者は特許ポートフォリオに注目し続け、実務者とポートフォリオ管理者とで議論しなくても、これらの警告されたパターンが発生した場合に、迅速に対応することができます。
また、PatentAdvisorは、ポートフォリオ管理者が類似の主張が行われた出願案件について全文検索を行うこと、または類似の状況についてパターンベースの検索を行うこと、およびそれらの主張または状況について、成功する可能性を評価することができるのです。


― データに基づいた意思決定により、ポートフォリオ全体の品質や、かかる時間やコストに何らかの効果はありましたか。

はい、PatentAdvisorの第1のメリットは、特許庁の適切な人物に向けた適切な戦略を開始できることです。これにより、特許権利化手続きが、予期せぬ、場合によっては救い難い領域へと進まないことを確実にし、特許権利化手続きが必要な場所に戦略を確実に集中させておくことができます。この利点により、出願人は、本発明に利用可能な最良の特許権を取得することができますし、また、ほとんどの出願人にとって、その利益は非常に貴重だと思います。
また、このツールは、希望のない出願案件を放棄するだけでなく、審査官との堂々巡りの議論が予測可能な場合に、「長い特許権利化ドラマ」の終了まで早送りすることによって、これらの権利をより効率的に取得することを可能にします。このツールを使用しない出願人はほとんど成功の見込みのない補正のサイクル(そして、一度に数千ドルのコストも)を無駄にすることが多いのではないでしょうか。


― ほかに、権利取得のプロセス(拒絶理由対応)に対する新しい知見が得られたり、チーム内に意識の変化はみられましたか。経営と知財の関係性において、今までと異なるシナジーが生まれたでしょうか。

はい。例えば、外部弁護士が出願を行った案件で、統計的にみて許可の見込みがほとんどないケースが見つかりました。我々はこれらのクレームに予備補正書を加えて対処し、外部弁護士には、今後これらの落とし穴を回避する方法について教育しました。各出願案件の針路を早い段階で修正し、不必要なオフィスアクションやRCEにかかる数千ドルのコストを節約できた可能性が大きいです。


― 高品質な特許の取得や戦略的な特許網構築について、重要と思うポイントを教えてください。

特許の質は実際にはかなり低いです。2010年以降に米国特許庁に申請された出願案件の登録率は76%であり、全体的な許可率は常に高い値を維持しています。出願人は、特許が付与されたからといってその特許が高品質であると思うべきではありません。その代わり、出願人はすべての登録された特許が高品質のものであることを確実にするために、確認作業やツールを整える必要があります。品質の低い特許は、訴訟や付与後異議といった非常に厳しい審査に耐えられないでしょう。
ポートフォリオ内の特許価値を決定する際に、特許品質について十分に考慮する必要があります。ここで、「特許の質」を定義すると以下になります。
(a)特許クレームの対象である製品、またはサービスに対する特許クレームの貢献度 (b)特許が最終の裁判所手続において無効、非侵害、または権利行使不能の可能性に比例して差し引かれ、(c)かかる訴訟手続きが救済を得るために必要となる可能性を考慮して、最終的な訴訟手続に到達するための法的費用の総額によってさらに差し引かれる。


― 知財・訴訟戦略の視点からみて、日本企業との違いを感じる点、日本企業に対する提言があれば教えてください。

米国では特許訴訟は大規模で費用がかかりますが、潜在的な見返りが大きいです。日本では特許訴訟は、よりコンパクトでより安価であるように見えますが、潜在的な見返りは非常に小さいです。どちらの国の特許制度でも、特許権者が勝てるチャンスは半分以下です。日本の特許制度は、より効率的に紛争を解決できると思われますが、日本の企業はトップライン紛争を解決する制度に頼ることはあまり多くないように見えます。 その結果、日本企業はコア技術を秘密に保つ傾向があり、一方でU.S.企業はコア技術を特許取得することが多くなるのだと思います。


※LexisNexis PatentAdvisor®について

LexisNexis IP®チームが提供する、高品質な米国特許の取得とポートフォリオ管理の最適化のための予測分析ソリューション。米国特許審査官・Art Unitの審査品質のバラツキの大きさに着目し、弊社独自に収集した確かなUS-PAIRデータを使って特許登録までの最適なルートを分析・提案可能にした、ポートフォリオ管理者および権利化実務担当者向けのビッグデータ予測分析ソリューション。権利化における無駄なプロセスを排除し、不必要な補正を防止して高品質な特許を短期間で取得する事ができ、かつコストの削減に貢献。

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Profile

Eric Sutton


米国オラクル シニアパテントカウンセル。シカゴ・ケント法科大学の非常勤教授。ビッグデータ分析と特許業務の自動化に関するブログ”Patnotechnic”オーナー( http://www.patnotechnic.com/ )。
主な著作:「Software Patents: A Practice Perspective (ソフトウェア特許: 実践的な視点)」




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