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株式会社LIG(第1回)

GVA法律事務所 弁護士 山本 俊、飛岡 依織



4 インターンシップの活用法

 前記のとおり、採用基準を定めることは重要ですが、どんなに採用基準をしっかり定めていても、採用時にその人が社風に合うかどうかを見極めることは難しい場合が多いのが実情です。入社後数日働いてみて、なにか方向性が違うなと感じたり、周囲との協調性がなく、または入社直後から遅刻や欠勤が続いて他の社員の士気を下げるなど、周囲に悪影響を与えるといった問題もよく起きます。

 この点、LIGのように、まずはインターン生として実習してもらうという方法は、有効な対策の一つといえるでしょう。インターンシップ中の実習ぶりを見ることで、会社に合う人材かどうかの判断の材料とすることができるためです。
 ただし、インターンシップを活用するにあたっては、以下の点に注意すべきです。

 すなわち、見学や就業体験的な要素が強いインターンシップの場合、一般には、参加者は「労働者」に該当せず、労働基準法その他の労働関係法規の適用を受けないと考えられていますが、形式的には「インターンシップ」とされていても、その実態が社員と同様であるような場合には、労働者性があると認められ、労働関係法規の適用を受ける場合があります。

 インターンシップ参加者の労働者性の有無については、旧労働省通達が一定の基準を示しています(平成9年9月18日揮発第636号)。

一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる。

 ここでは、事業場と学生との間に使用従属関係が認められるか否かが、労働者性の有無の主たる判断基準とされています。
 また、上記通達が参照を促す昭和57年2月19日基発第121号通達は、原則として労働者に該当しないものとして取り扱って差し支えないものとして、大学等の教育課程の一環として行われるケースを挙げています。
 かかる場合でなければ直ちに労働者に該当するというわけではありません。しかし、これらの通達に照らすと、インターンシップは、あくまで学生に対する教育の一環としての見学や就業体験であって、学生に会社の業務の一部を遂行させること自体を目的とするようなものや、社員と同様に会社が学生に対して指揮命令権を行使するような形態のものは、労働者性があると判断されてしまうリスクがあるといえます。

 そこで、下記の点に注意してインターンシップ制度を活用する必要があります。

① 実習期間や実習時間
② 実習の内容
③ 学生への教育的フィードバックの方法
④ 報酬の金額

 具体的には、3か月から6か月程度までの期間で、社員の仕事ぶりを見学させ、実際の業務に従事することがあっても、あくまで就業体験として、その体験から学生が学ぶことができるような教育的フィードバックを含む実習プログラムを組むことが望ましいでしょう。また、就業体験をさせるに当たってある程度指示や指導を行う必要はありますが、社員に対する指揮命令と同等のレベルで行ってしまうと、労働者性があると判断されてしまうおそれがある点には注意が必要です。
 そういった意味で、次にご説明する有期雇用に比べると、対象者の能力レベルや組織への適合性・従順性などを図ることには一定の限界がありますが、チームでのワークシッププログラムや、積極的に交流の場を設定することなども併せて行うことで、ある程度目的を達成することは可能でしょう。


5 有期雇用制度の活用

 採用後の契約社員として契約する場合は、有期の雇用契約ですので、労働関係法規の適用を受けることになるのは当然です。ただ、最初から無期の正社員とするのではなく、3か月間等の有期契約とすることで、3か月が経過した時点で会社が合わないと判断した場合には、契約を終了させることができ、実質的に退職してもらうことができます。こうすることで、実質的な試用期間を設けることができるのです。
 ただし、この有期雇用を活用する場合には、以下の点に注意が必要です。

 契約上は3か月と記載していても、何度も更新を繰り返して実質的に無期と変わらなくなっている場合や、採用時に「心配しなくても更新するから」などと軽々しく約束してしまっていたりすると、社員の側に期待権、すなわち、「更新してもらえるはず」と期待する権利が生じる場合があると考えられています。この場合には、契約期間の満了を理由とする場合であっても、契約を打ち切ることが実質上の「解雇」と同様であるとして、厳しい制限を受けることになりかねません(いわゆる「雇い止め法理」)。

 したがって、LIGのように社員の人格や能力を判断するという目的で有期雇用を取り入れる場合には、契約期間の設定や社員に対する説明、むやみな有期雇用契約の更新の回避等の点に十分に気を付ける必要があります。どのような場合に社員に期待権が発生するかについては個別の事情により左右され、判断が難しいため、制度設計にあたっては弁護士等の専門家に相談することをお勧めします。




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