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APACフランチャイズ法の
決定版リファレンス

行政書士/タリーズコーヒージャパン株式会社法務グループ長 川本 到

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Author’s Voice 『『事例で読み説く アジアフランチャイズ法務戦略』』

 2016年2月に、『事例で読み説く アジアフランチャイズ法務戦略』が弊社から刊行されました。中国、韓国、台湾、オーストラリア、マレーシア、インドネシア、ベトナム、シンガポール、香港(マカオ)、フィリピン、タイのAPAC諸国におけるフランチャイズ法を、現地法解説・進出事例・進出の具体的手続きなどの面から個別解説した、実務家・企業人のための新しいフランチャイズビジネス解説書です。
 著者である行政書士/タリーズコーヒージャパン株式会社で法務グループ長 川本到氏に、本書のポイントを語っていただきました。


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事例で読み説く アジアフランチャイズ法務戦略
Strategy of Asia Franchise -LexisNexis Global Compliance-

川本 到(著)

定価:¥3,400+税

出版社:レクシスネクシス・ジャパン(2015年2月)
ISBN-13: 9784908069529


ウェブでは見つけられない現地法情報を
人的ネットワークで掘り出していく

――本書の読みどころやポイントをお聞かせください。

川本 外食産業やサービス業など、東アジアを中心にしたフランチャイズビジネスの進出件数が、年々増加しています。本書はそうした東アジアやAPAC市場をターゲットにフランチャイズビジネスを展開しようとする企業にとってのリファレンスとなることを目指して執筆しました。
 最大の特長は、タイトルのとおり各国のフランチャイズ法・関連法を網羅している点です。 この分野では学習院大学 小塚荘一郎先生による名著『フランチャイズ契約論』がありますが、より一般の実務家、企業人の目線でフランチャイズ法を各国別に整理したものはこれまでなかったのではないでしょうか。

 業務の中で、外食産業でのフランチャイズ業務を法務面から担当しており、だからこその問題意識があったんです。目にした他社の紛争事例では、「そもそも話し合いで解決できたのではないか」という事例も少なからずありました。フランチャイザー、フランチャイジーが裁判ではなく、たとえばADRを通じて問題解決できないか、という思いが海外のフランチャイズ法に興味を持った出発点でしたね。

 ひとたびトラブルが発生すると、フランチャイザーもフランチャイジーも互いのビジネスを続けながら紛争解決を図らなければならない。そしてひとたび裁判にしてしまうと、行くところまでいってしまい、関係が修復できなくなることもあり得ます。
 そうすると、裁判ではなくADRのほうがフランチャイズ業界でのトラブル解決にはフィットすると思えました。しかし御存知のとおり、日本ではADRは未整備のままです。では、他の国々ではどうなのか? そこから調べてみると、本書にも書いてあるとおり、韓国ではADRの整備が既に行われています。オーストラリアにもADRに関する興味深い仕組みがあることが分かりました。

 他にも、実際に進出した企業例を紹介しながらフランチャイザー企業の進出アクションを、手順を踏んで解説している点。そして何より東アジア諸国のフランチャイズ関連法を、ボリューム感を持って解説している点がこの本ならではのアドバンテージです。


  ――執筆時、特に苦労された点はどのようなものですか?

川本 本書自体は楽しんで書くことができたのですが、最初はなかなかペース配分がつかめませんでしたね。第1回、2回を書いていくうちに1か月で自分が書ける量が分かってくる。そこからスケジュールを逆算して執筆ペースを保つようにしました。
 ゼロからの書下ろしではなく、それまで諸外国へ渡航する度にまとめていた自分なりのレポートがあったんですよ。


――それは、いわゆる旅行記のようなものではなく……。

川本 はい、当時、会社や出版社などからオファーがあったわけではないのですが、忘れてしまわないようにメモを書き溜めていました。その情報のアップデートを行うところを起点にして、執筆を進めていったんです。

 しかし、いざ原稿として取り組んでみると、本書で取り上げている諸外国の現地法について、日本語による解説書がほとんど見当たらない点は本当に苦労しました。英語によるアクセスを試みても、英語版が存在しない法律もある。国立国会図書館などで関連する解説論文を探しても行き当たらず、日本語・英語で法律にアクセスできなかったんですね。ここは悩みました。法律の有効性が自分の目と頭で確認できないわけですから。


――特に難しかったのはどの国々でしょうか。

川本 ベトナム、インドネシアでしょうか。これらの国々では、法律そのものは現地語でヒットしても、付属書類が出てこないケースもありました。それを探し出すのに非常に手間がかかりました。

 結局、ウェブを使ったリサーチでは限界があったので、現地語が分かるリアルでの知り合いに依頼して回りました。これは知人の行政書士などで入管業務を専門にしている人などのネットワークです。
 こうした人的資産がなければ書籍に足るだけの裏付けを持った情報をまとめることはできなかったと思いますね。


規制へのセンサーを磨いてこそ
グローバルを指向できる

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――著者として、本書を手に取ってほしいと思われる読者像はどのようなものでしょう?

川本 国内企業の経営者はもちろんとして、フランチャイズ業務担当者、店舗開発・フランチャイズ開発担当者、現地のスーパーバイザーといった皆様にはぜひ本書を読んでほしいと思います。

 いずれかの国への進出を検討している、または進出しなければならない状況下にある経営陣にとっては、その国にどういう法律がありどんな規制が敷かれているのかを、おおよそでいいのでつかんでおくことは大切です。そのイメージがあればこそ、契約書作成や現地法律家とのコミュニケーション、また日本国内の法律家との話し合いは問題整理がスムーズに進みますから。 現地法律のリファレンスとして本書を「使って」ほしいです。
 そうした意味では、フランチャイズ企業を顧客に持つ弁護士やコンサルタントにも読んでほしいですね。

 フランチャイズはビジネスの一形態です。さまざまなビジネス上の取引がある中で、海外での国際取引形態の一つにフランチャイズがある。日本国内とは異なる規制のかかり方を察知するためのアンテナというか、規制へのセンサーを磨いておくことはフランチャイズ業界のみならず今のビジネスパーソンには必須だと思うんですね。

 読者のみなさんは、それぞれの問題意識からこの本を手に取ってくれることと思います。日本と諸外国との問題解決の参考として、本書の海外事例を眺めていただいてもいいですし、日本国内法と諸外国法の法律比較として読み進めていただいてもいいと思います。

 著者としての見識はすべて詰め込みましたので、ぜひ、読者のみなさんそれぞれにとって有用な情報を見つけてほしいと思います。


――本日はありがとうございました。


取材、編集/BIZLAW 編集部


川本 到

Profile

川本 到 [行政書士/タリーズコーヒージャパン株式会社法務グループ長]

行政書士。タリーズコーヒージャパン株式会社法務グループ長。飲食チェーン2社の法務担当者を経て、現職。平成20年4月に行政書士登録(神奈川県行政書士会所属)。国内最大級のフランチャイズ展示会である日経フランチャイズショーのセミナーなどでフランチャイズの法律・契約に関する講座の講師を務める。また、行政書士の研修では、契約書の作成などに関する講座の講師を担当する。中小企業診断協会東京支部フランチャイズ研究会会員。主著に『フランチャイズ本部構築ガイドブック』(共著、同友館、2013年)、『FCチェーンの海外展開ハンドブック』(共著、フランチャイズ研究会)など。




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